2013/12/12

【建築】タマホームデザインコンペ 最優秀に東京芸大の森田さん

タマホームは12日、東京都千代田区の帝国ホテルで第2回タマホームデザインコンペティション2013の公開審査会を開いた。「住まいの新しいベーシック」をテーマに学生や若手建築家などから785件の応募があり、最優秀賞は東京芸大大学院修士1年の森田夏子さんの作品「物語を集めるように建てる家」が選ばれた。

 森田さんの作品は、自分の同級生7人からの聞き取りを元に、それぞれの「思い出の場所」をつなぎ合わせた住宅。個別の体験が集まることで、新しい体験を生みだそうとしたという。審査員からは建築としての具体性の乏しさを指摘されながらも、建築設計の新たな手法を生みだそうと葛藤している点が高く評価された。
 審査委員長を務めた建築家の塚本由晴氏は今回のコンペについて「全体の傾向として、どうやって街やコミュニティーにつながっていくかが大きなテーマになっていた。多くの提案が個の総和が全体になるという個を量的にとらえる近代的な考え方を前提としていた中で、人の思い出や物語を建築に取り入れる取り組みは、東北で進む種々のプロジェクトにも通じる」と指摘し、個人を量ではなく質としてとらえることで新たな建築が生まれる可能性を強調した。
 このほか、優秀賞は高村裕太郎さん(東京芸大大学院)の「大きなトビラと都市の庭」、古川涼さん(工学院大大学院)の「戸建て感のある集合住宅」が受賞した。入選は5者、佳作は8者、タマホーム賞として1者がそれぞれ選ばれた。審査員は建築家の千葉学氏、西沢立衛氏、東北大教授の小野田泰明氏、タマホームの玉木泰裕社長が務めた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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