2016/05/11

【意見交換会】「全体最適」のマネジメントとは クリステン・コックス氏(米国ユタ州)招く


 イスラエルの物理学者、故エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱する「TOC理論」や「全体最適」についての意見交換会が、東京・八重洲の会議室で開かれた=写真。ゲストとして米国ユタ州政府のエグゼクティブディレクター、クリステン・コックス氏を招き、三方良しの公共事業改革研究会、全体最適の行政マネジメント研究会やゴールドラットコンサルティングなどから有志約50人が集まり活発に意見交換した。

 全体最適は、行政・公共調達改革などにも取り入れられている手法で、TOC理論として知られている。
 コックス氏はユタ州の例として、別の法律に基づく児童保護プログラムと貧困救済プログラムを挙げ「両方とも1つの家族を保護するという目的は一緒。担当者や組織は別でも、目的を個々の家庭に置くことで、両方のシステムが効率よく動くようになる」と紹介した。
 参加者からは、「日本の行政が縦割りといわれるが、災害の時には組織の壁を超えて非常に効率よく助け合っている。目的を共有すれば、人は助け合うようになる」との意見が上がった。
 また、宮崎県や広島県、埼玉県、福島県で取り組まれているTOCの事例や、新潟県と地元の建設企業で実施している「三方良しの公共事業改革」の事例、北海道の建設会社で実際に取り組んだCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)の具体例も紹介された。
 会議を進行したゴールドラットコンサルティングジャパンの岸良裕司CEOは「手段ではなく最終的な目的を、関係者全員が明確に共有すれば、組織や受発注者の立場の違いを超えてプロジェクトを成功させられる」と総括した。
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