2016/09/11

【エイブル】デザインコンペ入賞学生がリノベ物件を設計 空き賃貸リフォームに新たな一手



 全国的な空き家増加という課題にどう対応していくのか。不動産仲介大手のエイブルでは、2015年から同社が主催する空間デザインコンペティションで上位入賞した学生がリノベーション計画を提案する「エイブルデザインチーム」を開始し、新たな賃貸住宅リフォームの姿を模索している。写真は初弾プロジェクトの物件

 8月に東京都練馬区で竣工した初弾プロジェクトでは、多摩美術大美術学部の原地千尋さんと前野慧さんが独身男性向けのリノベーション物件を設計した=写真。「Curiosity(好奇心)」をテーマに広い作業机と多くの収納を据え付け、ワンルームながら趣味と生活が両立する空間を実現。作業と生活スペースを同時に確保し、「仕事から帰宅すれば趣味に没頭できるオンとオフを切り替える部屋を目指した」(前野さん)という。


原地千尋さん(左)と前野慧さん

 エイブルが主催する空間デザインコンペで最優秀賞を受賞した2人だったが、「大学では施工性やコストを意識して設計する機会は少なく、不安もあった」(原地さん)と振り返る。ただ今回のプロジェクトで、ものづくりにかかわった経験から、設計が実際に完成する喜びを実感したと強調する。
 2人は大学卒業後にデザインチーム「dripdesign」を結成し、今後は建築や空間デザインなどの仕事に取り組むという。「エイブルデザインチームの経験を通じて、発注者や施工者の声を聞きながらものづくりに携わる貴重な経験ができた。この経験を生かしていきたい」(前野さん)。
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