2016/12/23

【空間デザインコンペ】希望見いだす提案多数 最優秀の原田氏、亡き小嶋一浩氏への思い寄せる


 特殊ガラスの世界的なメーカーである日本電気硝子が主催した第23回空間デザイン・コンペティションは、10月に急逝した建築家の小嶋一浩氏の存在の大きさを改めて感じさせるものとなった。
 審査委員長だった小嶋氏を中心に、建築家の中山英之、永山祐子両氏ら審査委員とコーディネーターの五十嵐太郎東北大教授が設定した課題は、「しなやかで強い社会の建築とガラス」という、素材としてのガラスが持つ特性と、今日の社会や時代を考えるキーワードを包含するものだった。

中山英之氏

 5日の表彰式で中山氏は、小嶋氏の思いに触れながら、入賞作品に対して、「向き合おうとしている社会は一筋縄ではいかない姿を現している。建築という思考の武器を持って一緒に立ち向かっていこうと気持ちを奮い立たせてくれる提案が多く、僕らも勇気づけられる思いがした」と語り、永山氏も「社会という言葉が1つ入るとどんな問題意識で立ち向かうのかという大きなテーマになる。ガラスを使って新たな希望を見いだしている提案が多く清々しいコンペだった」と振り返った。

永山祐子氏
139点の応募作品の中から最優秀賞に選ばれた原田雄次氏(スミルハン・ラディック・アーキテクト)は、遠く南米チリから寄せた受賞感想文の中で、横浜国大在学中に直接師事する機会はなかったものの、小嶋氏がチリやブラジルを訪れた際に知己を得たこと、緩やかな曲線を描く“境界線のデザイン”としての「ガラスの防潮堤」のスタディーを重ねる中で、ともにリオのコパカバーナビーチを歩いた思い出の中から、プロムナードの有機的なパターンをモチーフにすることを思いつき、3次元的なスタディーを加えて、最終的なアイデアをまとめ上げたことを披瀝。

五十嵐太郎教授

 こうした思いが小嶋氏の目に直接届くことは残念ながらなかったが、五十嵐氏も「今回の受賞は必然だったのかと思う」と納得の表情を見せていた。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿