2011/11/01

「絶景が仕事の支え」。大林組スカイツリー所長の田渕成明さん

大林組の田渕所長
 完成に向けて最終段階に入った東京スカイツリー。「作業員は、いまがピークの約1000人」を率いる作業所長を務めている。「低層部で一部外装もあるが、ほとんどが内装工事の段階。工事の進捗は9割を超えた」。気の抜けない高所作業も11月中には終わる。工事期間中を振り返り、「とにかくずっと大変」。2011年内には工事をほぼ仕上げ、12年2月の引き渡しを予定、残り4カ月に全力を尽くす。
 タワーの現場は初めてで、これまでは高さ180m級の超高層ビルを2棟経験するなどオフィスビルの建設を数多く手掛けてきた。「四角い建物に比べて、円形やせり出すような形は難易度が高かった」と東京スカイツリー建設の難しさを説明する。
 工事中には東日本大震災が発生、「エレベーターが影響を受けた。当初は年内に引き渡す計画だったが、そのために工期が2カ月延びた」。資機材の調達でも影響があったという。震災時は一番上で5-6m、作業員のいた高さ495m付近で1・5-2mほど左右に揺れた。「非常にゆっくりとした揺れだったと聞いている」
 高さ450mの第2展望台からの眺望は「飛行機に乗っているような景色」と例える。「晴れていて気温が低いと本当に遠くまでくっきり見える」。360度を見渡せる展望台でお気に入りのアングルは「富士山や日光連山も捨てがたいが、真南に広がる東京湾のベイエリア」。日本一の高さから見える絶景が、プレッシャーのかかる仕事において、一服の清涼剤になっている。

0 コメント :

コメントを投稿