2011/11/09

ハウステンボスに次世代送電網/需給最適化モデル策定/双日ら

 双日らは、長崎県佐世保市のハウステンボスでスマートグリッド(次世代送電網)を活用した次世代エネルギー技術を実証実験する。3年の間にシステム敷設の初期投資や運用費用といったコストを算出し、電力需給バランスの最適化モデルを策定する。同社は、2020年に世界のスマートグリッド関連市場の規模が約5兆8000億円に拡大すると試算、実証事業の最終目標として、策定した電力需給モデルを国内外の他地域や海外展開も視野に入れている。
 実証実験は、同社のほか双日九州、双日総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ、沖コンサルティングソリューションズ、ピープルパワー、SIIIS、システムファイブ、ケービーソフトウェア、ドゥアイネット、ビーオルグ、NDKCOMが参画する。
 スマートメーター(次世代電力計)などICT(情報通信技術)を活用した電力需給予測や目標自給率の設定、太陽光発電や蓄電池を利用した自給電力システムの構築を通じ、最適化モデルを策定する。
 事業は、11年度の次世代エネルギー技術実証事業として経済産業省の外郭団体「新エネルギー導入促進協議会」から採択を受けたもので、電力消費を抑制し、将来導入が期待される新エネルギーの域内電力受給率を高めたスマートシティーの構築、運用の体系化を目指すことにしている。
 初年度の費用は約5億円で、12年度以降も実証実験が継続されると3年間で総額約15億円になる。初年度は、最大2分の1に当たる約2億5000万円を国が補助する。
 ハウステンボスは、07年度に経産省から次世代エネルギーパークとして認定され、コージェネレーション(電熱併給)システムや太陽光発電による電力需給コミュニティーを形成するとともに、独自の送電網を保有することで実証実験に合った環境が整っているという。

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