2012/12/14

【デジタル】建物外壁の損傷iPadに記録 野帳代わりに使えるツール

ソフトウエア開発のインターシステムズ(本社・横浜市、田中和人社長)は、建物外壁の損傷調査で使う野帳(やちょう)を電子化した「損傷記録システムIEMORI」を開発し、試験運用を始めた。これまで損傷個所を手書きで記入していた野帳の代わりにiPad(アイパッド)を使い、画面タッチで損傷個所を直接入力できるシステム。事務所に戻ってからの清書作業や数値の入力作業が大幅に効率化でき、マンパワーの削減につながるという。試験運用中のため、当面は無料でサービスを提供する。
 建物外壁にできた亀裂や剥離などの損傷調査には、外壁を図面化した紙ベースの野帳を用いるのが一般的。調査員が現地で目視や触診により損傷具合を調べ野帳に手書きで記録している。調査後は事務所に戻って野帳を清書し直し、損傷個所ごとに幅や長さ、広さなどの数値をコンピューター入力して数量表をまとめ、それをもとに補修用のCAD図面や積算書を作成する。
 同社が開発したIEMORIは、野帳を電子化してiPadに登録、損傷個所の位置や状態を画面タッチで簡単に記録できるようにした。写真も取り込め、現場で写真付きの詳細な損傷図面を作成できる。
 また、入力された損傷データはインターネットのWi-Fiを通じてクラウドサーバーに保存され、現場・事務所双方で即座に閲覧することが可能だ。これにより、事務所での清書作業や数値入力など事後の整理作業が省け、工数の削減につながる。
 10月から試験運用を開始し、利用者が徐々に増えている。当面は無料でサービスを提供し、外壁補修業者やビル管理会社、設計事務所などをターゲットにシステムの普及を進める。将来的には、使い放題の定額料金プランと重量課金プランを設定する方針だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月14日3面

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