2012/10/23

1885人が徹夜! 京急蒲田駅連立が全区間の高架化完了

京浜急行電鉄は、東京都と進めている京浜急行本線及び同空港線(京急蒲田駅付近)連続立体交差事業の下り線高架切替工事を20日未明から21日早朝にかけて行った。計8工区で1885人が作業に当たり、最終電車と始発電車の間のわずかな時間で工事を完了。これにより全事業区間の上下線高架化が完了した。

 今回の切替区間は京浜急行本線平和島駅~六郷土手駅約4・7㌔と同空港線京急蒲田駅~大鳥居駅約1・3㌔の計約6㌔。1時間当たり最大53分あった踏切を含め、既に撤去済4カ所と合わせて全28カ所の踏切がなくなり、交通渋滞や踏切事故を解消する。
 当日は6工区に当たる六郷土手駅付近の高架切替工事を報道陣に公開し、多くの周辺住民が見守る中で作業が進められた。現場では高架化する橋桁を約70cmジャッキアップした後、既存の線路や架線の移設工事を実施し、高架化した線路に接続した。今後高架下利用などについて検討を進め、2014年の事業完了を目指す。

橋桁をジャッキアップ
ジャッキアップの見学に家族と訪れていた近所の女性は「実際にこれほどの橋桁が持ち上がるとは思わなかった」と語り、「以前から踏切で待たされることも多かったので、今回の高架化でそれが解消されるのは感慨深いです」と笑顔で話した。
 事業主体は東京都で、共同事業者として大田区が参画している。工事発注は京急電鉄が担当。事業費は約1892億円。大田区では、今回高架化が完了した京急蒲田駅、糀谷、雑色の各駅周辺で市街地再開発事業によるまちづくりを推進している。
 各工区の施工者は次のとおり。
 ▽1工区=京急建設・大豊建設・西松建設・鉄建JV▽2工区=東急建設・奥村組・森本組JV▽3工区=大成建設・京急建設JV▽4工区=鹿島・錢高組JV▽5工区=大林組・五洋建設JV▽6工区=清水建設・東亜建設工業・前田建設工業・りんかい日産建設JV▽7工区=熊谷組・西武建設・ハザマ・不動建設JV▽8工区=戸田建設・馬淵建設・三井住友建設JV。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年10月23日 4面

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