2013/03/15

【現場最前線】鉄道ポイントを新型装置で摩耗検査 東鉄工業

列車の進路を切り替える分岐器は、一般区間のレールに比べ、車輪の横圧が大きく加わることで軌道変位が発生しやすいほか、レール転換部は可動式構造のため保守上の困難個所でもある。東鉄工業は、この重要設備の検査データを取得するために、専用の「分岐器検査装置」を導入し、正確で効率的な検査業務に役立てている。
 線路の間隔や左右高さのずれなどの日常検査には、測定器「トラックマスター」が使われているが、分岐器検査装置は、それらの項目と同時に、摩耗状況も調べられるのが特徴だ。装置を押して歩いて各種データを収集しながら、連続でレーザー撮影を実施。新品時と現在の断面図が重ねて表示されるので、摩耗の度合いが一目で分かる。
 1カ所につき年4回行う分岐器検査のうち、1回には同装置を用いて状態をより詳細に把握する。ポイントごとに定められた基準値を超えた場合は、部材の補修や交換作業を実施する。
 同社新潟支店長岡出張所では、管内にある分岐器116カ所の検査に、専用装置を活用している。操作性に優れ、軽量で持ち運びにも便利な新型モデルは、その場で解析結果を見ることもできる。
 同出張所では、社員自らが検査作業を担当しており、若手社員も活躍。写真を多用した分かりやすい操作マニュアルを自作するなど、作業方法を工夫してミスの防止などを図りながら、正確なデータの収集に努めている。
 検査グループに所属する中村典義さんは「蓄積したデータを分析し、軌道変位の原因を特定できるようになりたい」とスキルアップに勤しむ。また、一戸隆一朗さんは「いずれは工事部門の仕事も覚え、検査、工事両方の知識を身につけたい」と先を見据える。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月15日


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