2013/03/23

【本丸再生】愛知県刈谷市が亀城公園の石垣、土塁含め復元へ

愛知県刈谷市は、亀城公園歴史的建造物等基本計画を策定した。2013年度は園路舗装工など公園施設再整備と発掘調査を行う。13年度予算案には1億1020万円を計上した。亀城公園は、1533年に水野忠政が築城した刈谷城跡に造られた。同城は廃藩置県後に政府所有となり、1873年に城郭建築物は入札による払い下げの後、解体され、1937年に亀城公園として開設されたが、約70年経過し老朽化による公園機能の低下が著しい。歴史的な立地条件を活用し「亀城公園における刈谷城の歴史的価値の再生」を基本理念とし、復元整備に取りかかる。
 基本計画では、本丸・石垣・土塁の復元に着手することが決められた。復元整備方針で、本丸は、江戸時代前期の北西隅櫓・南東隅櫓・多門櫓・表門・裏門・土塀を復元し、櫓内部を体験学習施設として活用する見込み。10年後までに北西隅櫓以外の復元を進める。
 石垣は、遺構が確認された場合は遺構に準じた石材・積み方とし、裏込め材は発掘調査で発生したものを洗浄再利用する予定だ。
 土塁は、本丸への階段や既設中央トイレを撤去後に、北側と東側土塁の復元整備の検討に入る。また、北西隅櫓を復元整備する際には、あわせて本丸西側の石張擁壁を撤去し、往事の姿への整備を予定している。再整備基本設計は国際開発、基本計画は日建設計が担当した。
 また、同市は同公園敷地内に歴史博物館の建設を予定している。▽歴史資料の保存▽歴史資料の調査・収集・研究▽刈谷らしさを生かした展示▽市民・ボランティア参加▽児童・生徒の歴史体験--の5つを基本方針に整備。基本計画によると、規模は約4500㎡をめどとしている。
 歴史博物館の基本計画は丹青社、地質調査は中日本建設コンサルタントが担当している。場所は逢妻町4の敷地約1万1800㎡。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月21日


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