2013/10/25

【国交省】「道路局の敷居を低くするプロジェクト」 徳山局長が発案

東京・霞が関の国土交通省内で“道路局の敷居を低くするプロジェクト"が進行している。9月末には、全国から来庁する市町村長らのおもてなしスペース『地方道交流倶楽部』が、本省1階の道路局環境安全課内に設置された。「省内を回るので荷物を置きたい」「空いた時間にゆっくりしたい」といった首長たちに気軽に使ってもらおうというもの。相談事の担当課や予算の仕組みが知りたいなどといったニーズにも応える。

 発案者は8月に着任した徳山日出男道路局長。『地方道課』や『市町村道室』という組織名称がなくなり、「首長さんから窓口が分かりにくくなったと言われたこと」がそもそものきっかけという。
 東北地方整備局長として東日本大震災の対応に当たった際には「国、県、市町村が一丸となって物事に取り組んでいた」と振り返る。驚異的とも言えるスピードで事業が進捗している三陸沿岸道路を一例に、「関係者が一体となればうまくいく」ことを改めて実感した。
 敷居を低くするプロジェクトは、そういった一体感を霞が関でも醸成するのが狙いだ。倶楽部には、道路局職員の地方勤務経験や出身県リストも掲示。おもてなしの一環として、幹部職員がお金を出し合いコーヒーも用意している。
 「相談を受ける時も“構えた"窓口より、こういう雰囲気の方が本音も聞けるはず」と徳山局長。首長たちの生の声から各地域の現場ニーズを把握し、政策のアイデア出しなどにも生かす。
 倶楽部開設からまだ1カ月に満たないが、この間30人近くの首長に利用してもらったという。予算編成作業が本格化する年末には例年、全国各地から多くの首長が来庁する。徳山局長は「ぜひフル活用していただきたい」と呼び掛けている。
 道路局では訪れる人が分かりやすいよう、全課で写真付きの“顔の見える座席表"を作成し、課の入口などに置いている。これも徳山局長のアイデアだ。
 実はこのような取り組みは「半分は内部のため」でもあるという。道路は何かと世間やマスコミから批判されることも多く、「職員が内向きになり、自治体などとの付き合いも希薄になりつつある」と危惧(きぐ)している。「堂々と仕事をしよう」。そんな思いが込められている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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