2014/03/18

【熱い戦い】「平均気温が5度上昇した未来の日本」での代替案競う

兵庫県と神戸大大学院の遠藤研究室(遠藤秀平教授)が募集していた「熱発コンペ」の公開プレゼンテーション・審査会が15日、兵庫県姫路市の県立ものづくり体験館で行われた。1次審査を通過した9作品のプレゼンテーションと審査会を公開で実施した。総合資格などが協賛した。
 同コンペは、兵庫県がまちづくりをテーマに実施している「県民まちづくリ・デザインフォーラム2013」の一環で実施。「平均気温が5度上昇した未来の日本列島」という設定で、環境条件の変化など気温上昇で起こりうることや日本国内での具体的な場所、敷地は応募者が設定の上、気温の変化に対する「根本的なオルタナティブ(代替案)」を募集。大学、工業高等専門学校などから31の応募があり、うち9点が2次審査に進んだ。
 参加者は10分の持ち時間でプレゼンテーションと審査員の質疑応答に答えた。休憩を挟み審査員による公開審査・討議に移った。審査は委員長の遠藤教授のほか五十嵐太郎東北大大学院教授、竹山聖京大准教授、手塚貴晴東京都市大教授、長坂大京都工繊大教授、小浦久子阪大准教授、槻橋修神戸大准教授、曽我部昌史神奈川大教授、武田史朗立命館大准教授、木下光関西大准教授、忽那裕樹氏(E-DESIGN)、笠尾卓朗兵庫県県土整備部まちづくり局長--の12人が担当した。
 大賞は設けず、審査員一人ひとりが印象に残った作品に記念品のプレートを贈る方式で参加者の労をねぎらった=写真。全員が記念品を手にしたが、中でも気温上昇で増加した蚊への対応を考えた森本悠義さん(琉球大)の「Discharging Mosquito Building」、スキー場の転用策を提示した奥野智士さん(関西大)らの「種、降り積もるスキー場-循環型地域産業の提案-」、木作洋輔さん(神戸大)の「遊農の民へ-海上浮体式水田を核とした遊農民のための水上集落の提案-」の3案が重複して受賞するなど、特に話題を集めた。
 そのほかプレゼンテーションを行った6案は次のとおり(敬称略)。
 ▽都市の静脈~ナガレの水~=牧野創太(早稲田大)▽The Sustainable Water PARK 2050=李泰衡、長濱伸貴(神戸芸工大)▽Marine Center,Fukuoka Port=殷小文(神戸大)▽Neo-Utopia ネオ・ユートピア新海上都市構想=劉志超(神戸大)▽雨水のイドコロ=近藤陽平ほか6人(神戸大)▽都市を覆う亜熱帯カーテン=林操輝ほか2人(滋賀県立大)。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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