2014/03/22

【素材NOW】「あべのハルカス」彩る素材たち、各社過去最大級続出!

あべのハルカス北面
高さ300mの超高層複合ビル「あべのハルカス」(大阪市)がグランドオープンした。設計は竹中工務店、施工は竹中工務店JVが担当。立体都市をコンセプトにした意匠デザインは、まさに都市風景の一部として街に新たなダイナミズムを与えている。日本一の超高層ビルを支え、彩る“素材”にスポットを当てた。
 低層階から60階の展望台までのガラスカーテンウォール(CW)はLIXIL製。ホテル階やオフィス階の居室エリアにはダブルスキン構造が採用された。設置面積は10万㎡に達し、同社の納入規模では国内最大級だ。
 そのガラスを提供したのは旭硝子。外装に全面採用された合わせガラスは面積にして5万㎡に達する。居室エリアの室側にはエコガラス(Low-E複層ガラス)が1万4000㎡採用された。これらトータル6万4000㎡の納品規模は同社にとっても過去最大級。長辺が4mを超えるガラスは国内、それ以下はタイのグループ会社からも納入する生産体制を確保した。
 オフィス階の天井には大建工業のグリット用天井材「ダイロートン」が採用され、地下5階から地上60階までの壁・天井の内装工事では9割以上を同社子会社のダイケンエンジニアリング(大阪市)が下支えした。職人手配は1日に最高で320人にわたり、同社にとっては過去に例を見ない大規模な工事で、受注額も過去最高額を記録した。
 オフィスゾーンの照明には、シャープが1万台を超えるLEDを納入した。メーン照明は天井に埋め込まれたスクエアなタイプで、過去最大規模となる9000台の納入を記録。このほか廊下には約1000台、ロビー照明には約400台が使われ、これらを中央監視室から調光や調色の設定など集中制御できる仕組みも提供。納入総数ベースでは、1万1000台に達したJR南新宿ビル(東京都渋谷区)に次ぐ2番目の規模となった。

LED照明で演出された昇降路内
メーカー4社が対応したエレベーターやエスカレーターなどの昇降機では、三菱電機が半数を超える70台を納入した。展望台行きのシャトルエレベーターはシースルータイプのかご室が分速360mで地上16階から60階までを約50秒で結ぶ。昇降路内にLED照明を施したのは同社初の試み。飛行機滑走路の誘導灯をコンセプトに、移動中に青く光る流星が見える仕掛けも用意した。
 水回りに目を転じると、ホテルゾーンの39階-55階では各客室にTOTOのユニットバスが全面採用された。家庭での快適さをホテルでも味わってもらいたいと、湯船にゆっくりつかり、洗い場も備えた和風仕様を提供。ホテルでは珍しく、特注品として自動お湯はり機能付きユニットバスを独自開発した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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