2014/08/15

【夏休み特集】来年のご参考に…小学生が参加した建築・建設・土木のイベント記事ご紹介!【4】


■空調設備の仕組みクイズ形式で学ぶ/東空衛が小学生対象体験教室

 夏休みを利用して子どもたちに業界の活動や技術に関心を持ってもらおうと、東京空調衛生工業会(是常博会長)が小学生を対象にした「空気と水の体験教室」を開いた。ダイキン工業が東京都新宿区に設置している展示施設「フーハ東京」を会場に、小学校低学年を中心とした親子の総勢約50人が参加。空調設備の仕組みをクイズ形式で学んだり、エアコンを分解して内部の状況を確認し、子どもたちは興味津々な表情で作業に当たっていた。
 最初はダイキン工業の職員が講師になり、エアコンの役割などを質問しながら答えていった。「エアコンってどこにある?」との問いかけに「学校」「映画館」などの声が元気よく上がる。講師は住宅やビル、商業施設などにあることを説明し「それぞれの場所に合ったエアコンが必要で、人がいるところでは必ず空調が活躍しているよ」と、生活の中で不可欠になっている空調の存在を説明していた。

説明を追加
○地球の寒暖差を理解
 続いて、「どっちがあついか、さむいかクイズ」と銘打ち、地球上の場所での寒暖差を理解させた。「南極と北極はどちらが寒いか(答・南極)」「北海道旭川市とハワイではどちらが暑いか(答・旭川市)」など、意外な答えに会場からも歓声がもれた。地形や緯度、標高などにより変わることを子どもたちも理解する機会になった。

○ペットボトルで実演

 その後、エアコンが室内温度を変える仕組みについて絵を使って子どもにも分かるように説明するとともに、その仕組みをペットボトルを使って実演させた。講師は「エアコンはどうやって涼しくしているかというと、熱を外に運び出しているからだよ」と呼び掛け、ヒートポンプの原理を紹介。冷媒を電車に、管を線路に、熱交換器を駅にたとえ、電車が駅に停車すると、室内から集めた熱を電車に乗せて室外に運び出す様子を説明していた。
 圧縮器と膨張弁で冷媒の圧力を変えることで温度を変化させる仕組みを実感してもらうため、子どもたちは口を密閉したペットボトルに空気を注入して温度が変わる様子を実験した。空気をペットボトルいっぱいに詰めると温度が上がり、キャップを外すと破裂音とともに温度が下がる様子に対し、一様にびっくりした表情を浮かべていた。サーモグラフィーのモニターで温度が瞬時に変わっていくのを眺めていた子どもたちは、一斉に驚きの声を上げていた。

分解したエアコンの熱交換器を眺める子どもたち

○エアコン部品を解体
 続いて実施したのは、エアコン室内機の分解実験。数人ごとに分かれ、フィルターや熱交換器、クロスフローファンなど徐々に部品を解体していった。熱交換器については、1枚の大型のアルミ板に凹凸をつけ、空気に触れる面積を多くしていることを講師が解説し、「エアコンの中に収まっているアルミは、畳7枚分と同じ大きさがあるよ。空気に触れる面積を増やすと、熱交換がしやすくなるんだよ」との説明に、子どもたちは大きな関心を寄せていた。
 この後、フーハ東京にある設備を見学したほか、同社のイメージキャラクター“ぴちょん君”の塗り絵をうちわにするなどして、子どもたちは約2時間の体験会を楽しんだ。

○将来の入職に期待も
 体験会はことしで3回目。空気と水の大切さを学んでもらうとともに、夏休みの自由研究の題材にも取り上げてもらう狙いがあった。福木盛夫副会長は「体験会の開催は、協会の活動や空調の技術を知ってほしいとの思いから始めた。日ごろ空気と水は何気なく使っているが、なくなれば生きていけない大切さを理解してほしい。また、子どもとの時間を確保するのが難しい親も多いと思われ、体験会をふれあいの場にしてもらえれば」と話し、空調設備の果たしている役割を知ってもらうと同時に将来の入職につながることに期待を寄せた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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