2011/07/14

UIA2011東京大会まであと2・5カ月!槇氏、岩村氏、芦原氏が談話

 国際建築家連合(UIA)の大会「UIA2011東京大会」の開幕まあと70余日。東日本大震災で準備の仕切り直しとなったが、大震災を乗り越え、「災害を克服し、一丸となって、新しい未来へ」を合い言葉に開催が決定した。開幕までカウントダウン段階に入ったUIA2011東京大会について、槇文彦JOB諮問評議会議長と岩村和夫UIA理事・JOB実行委員会委員、芦原太郎日本建築家協会(JIA)会長の話を掲載する。
◆「シェアリングが目的の一つ」/槇文彦JOB諮問評議会議長
 槇JOB諮問評議会議長は、大会の目的の一つにシェアリングを挙げる。「東京で起こったことは東京のこと、地方で起こったことは地方のことというように、日本の建築界は国内の問題でもシェアすることがなかった。大会では、日本だけでなく世界の建築家が災害をシェアし、視野を広げることを期待している」という。
◆「社会に建築の必要性をアピール」/岩村和夫JOB実行委員会委員
 岩村UIA理事・JOB実行委員会委員は、「災害は世界中にあり、世界中の建築家が、大震災が起きた日本に集まって議論することは非常に意義がある」と日本開催の意義を強調する。
 さらに、「今回の大会を建築や街づくりのマイルストーンとして位置付け、大震災の復旧・復興で建築家がイニシアチブをとれるきっかけにしたい」とも話す。復旧・復興において建築家不在で区画整理や宅地造成が行われることにも危惧(きぐ)がある。大会では、100を超える国際的なプログラムが1週間で展開されるので、建築や街づくりを社会に訴える絶好のチャンスになる。
◆「建築家の存在を市民へ認知」芦原太郎JIA会長
 芦原JIA会長は、「日本の建築関係者が顔をそろえて世界を迎えるとともに、国内の一般社会に顔を見せる機会となる」との期待を表明する。「これから30-40年をかけて自分たちの街、環境を再生しなければならない。自分たちの子どもや孫が2050年までにどのような生活をしていくかを考え、安心できるよう復興する必要がある」とも。
 震災を受けて大会テーマに「災害を克服し、一丸となって、新しい未来へ」という合言葉が加えられた。UIAは世界124カ国、約130万人の建築家が連帯している。日本にもランドスケープや都市計画などの専門家も含み100万人の建築家がいる。建築専門家の連帯で世界、日本、被災地が一つになることに期待したい。

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