2012/05/24

家庭用鍋が太陽光パネル基礎に変身! 短工期・低コストを実現

家庭用鍋を基礎に使う!
 需要急増の太陽光発電パネルだが、屋上設置の基礎部材設置について、家庭のステンレス鍋を応用、漏水防止が完璧で短期間に低コストで行うことができる工法が考案され、ことし4月末に特許を取得した。考案したのは、NPO法人S・E・P(ソーラー・エネルギー・プロモーション)の理事長でサン建設(本社・東京都渋谷区、森口英晴社長)会長の森口武男氏。

 特許名は、「屋外設備設置用の基礎部材と基礎部材の下地固定方法」といかめしいものだが、ポイントとなる内側筒体と外側筒体に、家庭用鍋で取手のないものを応用したアイデア。新潟県・小千谷まで探し求めて、応用できる品を見つけたという。
 工程は、①屋根の下地にアンカーボルトを埋め込む②底部周辺に薄板の鍔(つば=外縁)部を持つ上部開口のステンレス製の有底筒体(内側筒体)を、アンカーボルト上部を軸に設置③鍔部を接着剤で床面に固定し、内側筒体の側壁、鍔部および周辺床に新規防水層を形成④内側筒体内部に無収縮モルタルを充てんし、その上面に防水層を施工⑤内側筒体の外部に、中央にボルト穴のあるステンレス製の鍋状の有底筒体(外側筒体)を被せる⑥上部に突き出たアンカーボルトで太陽光パネルを固定する--というもの。
 従来の固定工法は、防水層を貫通し床スラブにアンカーを設け、防水層上に型枠を設置して配筋、コンクリ打設して基礎部を形成。基礎上にH鋼を配置し、その上に太陽光パネルを設置していた。森口氏は「荷重がかかり過ぎ、防水面でも不安なので、基礎周辺部にもう一度防水層施工をしなければならない。既存の防水層をアンカーで貫通する個所が多く、漏水面で大丈夫かな」と思っていたという。
 ゼネコンでの現場経験が豊富な同氏は、「荷重と工数手間をなんとかしたい。防水対策も、もっと安全で簡便なものがあるはず」と、“家庭用ステンレス鍋工法"をひらめいたという。「コストは5分の1、工期は3分の1。太陽光パネルだけでなく、屋上での高架水槽や広告塔設置にも使える」としている。

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