2014/12/14

【施設見学会】ハウスメーカーから次世代建設業のヒント探れ! 早大のモデル研がポラス見学

早稲田大学次世代建設産業モデル研究会を主宰する五十嵐健氏は、大手木造ハウスメーカーのポラスグループ(埼玉県越谷市、中内晃次郎代表取締役)の施設見学会を開いた。研究会メンバーを中心に多くの建設業関係者が参加し、ハウスメーカーの取り組みから次世代建設業を考察するヒントを探った。写真は開発商品を説明する照井グループ長。

 当日はグループ会社のポラテック本社「ウッドスクウェア」で同社の歴史と基本理念の説明を受けた。年間3000棟超の新築住宅を手掛ける背景として、主要拠点を中心とした半径40㎞圏内のみを市場にとらえる地域密着型の経営理念や、社員大工の育成を始めとする人材育成体制、日本一の加工量を誇るプレカット工場、アフターメンテナンス体制など徹底した自前主義の取り組みなどを紹介した。説明した石田茂人事部長は、「住宅は建物を提供して終わりではなく、そこから生活がスタートする。われわれは顧客の人生を支えるパートナーとして協力する責任がある」と語った。
 続いて、ポラス暮し科学研究所に移動し、同社が独自に研究開発した継手金具や木造でありながら広い開口部を実現した耐力壁などの説明を受けた。案内した構造グループの照井清貴グループ長は「構造において強度を求めるのは当たり前のことだが、強さと空間で両立したデザインで良い家をつくりたいと思っている」と研究者としての思いを述べた。参加者から「大学教育で扱われることのない最先端の木材の継ぎ手が分かった」とする声が上がったほか、継手金具の構造的役割や長寿命建築で使用する昔ながらの木組みとの違いなどに関して熱心な議論が行われた。

加工量日本一のプレカット工場に関して説明を受ける参加者
この後、木材を加工するプレカット工場を訪問し、日本一の加工量を誇るプレカット工場の加工技術を始め、最新設備や合理的な運用方法に関する説明を受けた。見学会終了後に五十嵐氏は、「同じ建設産業界であっても、それぞれの取り組みで分からないことがある。お互いに別の場所を見て、相互が役立つ結果につながればいいと思う」と振り返った。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿