2017/02/28

【憲政記念館】多面的な価値・意義を後世に伝えたい! JIAが保存・活用の要望書を提出


 日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部(藤沼傑支部長)は24日、同支部の保存問題委員会、千代田地域会と連名で「衆議院憲政記念館(旧尾崎記念会館)の建築的・歴史的・景観的重要性を未来へ継承することへの要望書」を、内閣府、衆議院、憲政記念館、国立公文書館に提出した。国立公文書館の移設計画に伴い、解体・建て替えが検討されている同記念館の持つ多面的な価値を強調した上で、「その原形を可能最大限まで保存して活用を図り、この建物の持つ意義を正しく後世へ」と引き継いでいくよう求めている。写真は衆議院憲政記念館(旧尾崎記念会館)

 同記念館は、旧尾崎記念会館として議会制民主主義の認識を深めることを目的に1960年、東京・永田町の国会議事堂斜め向かいに建設された。現施設は、70年に日本の議会政治が80周年を迎えたことを記念し、旧尾崎記念会館を吸収・拡大する形で72年に開館している。
 設計は58年の設計競技で選ばれた建築家の海老原一郎。構造は坪井善勝が担当した。全体的に低く抑え、ひさしや手すり、開口の水平ラインを強調した意匠は、議会制民主主義を象徴する戦後モダニズム建築の好例としてドコモモ100選にも選定されている。
 政府は国立公文書館の移設に当たり、同記念館敷地を建設候補地とし、現施設を解体した上で新公文書館と合築する方向で検討を進めている。内閣府のワーキンググループがまとめた施設計画の概要では全体の延べ床面積は4万2000㎡から5万㎡。2017年度に基本計画をまとめる予定だ。
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