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(写真と本文は関係ありません) |
弊紙が専門工事業にスポットを当て、月に1度編成している『職人通信』というページがある。13日に発行した今号では、専門工事業の本音を掲載した。厳冬期が続く建設業界だが、この本音からは現場の苦労がひしひしと伝わってくる。皆さんはこれらを見てどのような思いを抱くだろうか?
①一度去れば二度と戻らず
10年くらい働き、やっとこれからという職人が辞めて、建設業以外の仕事に就いている。建設業の仕事が増えたからといっても、彼らは二度と建設業には戻ってこない。彼らは、戻ってきたところで、今は仕事があっても、またなくなれば切られることを知っているから。
②職人はすぐに集まらない
職人が足りないから、集めろといわれてもすぐには集まらない。作業員なら集められるが、それでは品質にも安全にも大きなマイナスだ。そのことを元請けは分かっているのだろうか。
③血縁、地縁ではこの先…
工業高校などから入社してくれる学生もいるが、依然として定着率は低い。結局、従業員の子どもや親戚、知り合いの子どもなど、血縁、地縁で若い人に入ってもらい、その縁で何とか続けてもらっているという状況だ。現状がこんなことでは、これから先は続かない…。
④本社に相談する所長はダメ
労務不足の中で仕事を受けなければならない。その上、金額も工期も厳しい。仕事を選ばざるを得ない。ただ、単に工事単価の良し悪しではなく、所長で選ぶ。現場をよく分かっている所長は、足りない分をこの部分はもう少し安い材料にして、その分をこっちに回してくれるといったことができる。なんでも本社に相談するような所長はだめだ。
⑤労務不足で二つ返事とは
労務不足が起きている。工事を受注しても、職人を集められないということになり、自社で対応できるだけの工事量の受注にしていかないと(受注調整)、大変なことになる。持ち出しばかりでは、会社がつぶれる。声がかかれば二つ返事というわけにはいかない。
⑥派遣のレベルが低すぎる
現場にいる派遣社員のレベルが低すぎる。責任がないから、所長から言われたことと、自分の仕事しかしない。いてもいなくても変わらない派遣社員もいる。現場の生産性の向上にプラスになっているとは思えない。それなら、派遣を雇う賃金で、協力業者の社員を置いた方が、もっと効率的だ。そうした現場もある。