2011/06/29

「大キリン」を提供した中国・三一重工ってどんな会社?-1-

中国・湖南省長沙市にある工場
 福島原発で「大キリン」と呼ばれている大型ポンプ車。これを無償提供したのが中国の建機メーカー「三一重工」だ。建設通信新聞は、中国まで出向いてこの建機メーカーの工場を訪ね、どんな会社なのかを取材した。
 三一重工は、6万3000人の従業員を抱える。「品質改変世界(品質は世界を変える)」をスローガンに、創業からわずか20年で売上高500億元(約6200億円)の中国を代表する企業に成長した。三一重工を中核とする三一グループ(梁穏根董事長)の売上高は、2005年の約58億元(720億円)から毎年ほぼ倍々のペースで増え、10年度は502億元を達成、11年度は800億元(約1兆円)に手が届く見通しだ。純利益も毎年2桁の伸びだという。
 研究開発を担当する易小剛執行総裁は、品質についてのこだわりを主張する。「品質には2つの意味がある。一つは製品の品質で、これは世界一を目指している。もう一つが人としての素質。誠意を持って仕事をする人材を育成している」という。
 研究開発にかける費用は、売上高の5-7%に及ぶといい、2010年には約350億円を投入、研究開発にかかわる人材は約1万人で、「品質管理やアフターサービスも含めればもっと多い」(易執行総裁)という。
 そんな三一重工だが、建機のエンジンを始め多くの部品を日本から調達している。「日本は技術力が高く、地理的にも近くて効率的。決して安くはないがコストパフォーマンスが高い」(同)と日本に頼る部分は大きいようだ。
 油圧ショベル・クレーン事業を手掛ける梁林河副総裁は、中国での生産体制をはやく確立したいと、今後はエンジン、油圧部品の開発に力を入れる。すでに、10tクラスの小型の電動ショベルを開発したり、ハイブリッドについても研究段階にあるというから、なかなかあなどれない。
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