2014/11/25

【就業体験】着工から完成まで 東播工高生が通年型で作業に従事

兵庫県加古川市にある県立東播工業高校(岩田薫校長)建築科2年生の生徒33人が、授業の一環で通年型のインターンシップ(就業体験)に取り組み始めた。兵庫県建設業協会加印支部(加古川市)が全面的に協力。産学が連携し長期にわたる就業体験の場を提供、建設業への入職促進につなげていく独自の試みだ。

 インターンシップの舞台は、加古川市に隣接する高砂市内に建設中の「高砂市立図書館建設工事」の現場。施工はソネック・塩谷建設・貝塚工務店JV(山下武弘所長)が担当している。20日に第1回のインターンシップが行われた。
 開会式で訓示に立った兵建協加印支部の新井哲三副支部長(新井建設工業代表)は「学校で学んだ知識も生かし、ものづくりに携わってもらいたい。若い皆さんの力が伸びていくことを期待している」とエールを送った。岩田校長も「地元でインターンシップを実施してもらえることに感謝したい。実習の期間中はくれぐれも安全に注意してほしい」とあいさつした。
 開会式の後、生徒らは現場事務所に入り、工事の概要説明のほか守るべきルールやマナーなど「新規入場者教育」を受け、山下所長の案内で現場を見学した。
 高砂市立図書館の規模は、RC一部S造2階建て延べ2979㎡。設計は石本建築事務所、内藤建築事務所が監理を担当している。ことし6月に着工、2015年9月末までの完成に向けて現在、型枠や鉄筋など躯体工事を進めている。

開会式後に全員で記念撮影
夏休みなどを使った短期の就業体験と異なり、今回のインターンシップで生徒らは建物の着工段階から完成まで長期にわたり建築現場を経験、より実践的な教育と建設業の仕事に対する理解促進につなげる狙いがある。
 以前からインターンシップに熱心なことで知られる東播工高だが、生徒を引率する建築科の澤大輔教諭によると通年型のインターンシップは「ここ数年来は実施できていなかった」と話す。同校の元校長で今回コーディネーターを務める内藤康男氏(ひょうご建設産業若年者入職促進協議会執行理事)も「生徒を受け入れる現場側の理解はもちろん、指導する教師を始め、学校側の意欲が何より問われる」と指摘する。
 現場でのインターンシップは、14年度末までに4回予定している。3年生に進級する15年4月以降も完成まで現場に通い、作業に従事するという。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿