2016/10/25

【リノベーションコンペ】最優秀賞は間宮苗子さん「家族のあいだのゆるい境界」 実施設計へ


 日本総合住生活(JS)は22日、法政大学と日本女子大学の学生を対象とした「リノベーションコンペ」の公開2次審査を実施した結果、間宮苗子さん(法大修士1年)の「家族のあいだのゆるい境界」を最優秀賞に選定した。同コンペは、実在する都市再生機構の賃貸住宅をテーマに、リノベーションの提案を募った。最優秀作品は今後、コストを勘案した上で実施設計を進め、実際に施工する予定だ。完成は2017年2月ごろの予定。

 同日、東京都新宿区の法大市ケ谷田町校舎で行われた公開審査では冒頭、JSの望月常弥常務が同社のメイン業務となる都市機構の賃貸住宅管理について「若い学生のアイデアを生かして、これからの住宅のリノベーションのモデルをつくりたい。住宅ストックのリノベーションの仕事に関心を持ってもらうのが目的だ」と期待した。1次審査を通過した9者がプレゼンテーションした。
 コンペの対象住戸は「サンフラレ百合ヶ丘」(川崎市)の住戸面積63㎡の1室。共働きを考え、7歳の長男がいる3人家族を想定し、10年後も住み続けられる間取りのリノベーション案を求めた。
 間宮さんは、すりガラスとガラスによる2つの間仕切りと戸袋を使い、壁を持たない柔軟性を持つ「ゆるい境界」を提案した。「生活スタイルの変化に対して、可動間仕切りで個室やワンルームにもなる」(間宮さん)。

受賞者の間宮さん(左)

 審査員を務めた法大の渡邉眞理教授は総評で、「集合住宅で、まだ新しいことができることを確認させてくれた」と指摘、最優秀賞について「懐かしく民家のようで、間取りを変えられる可変性などが評価された」と述べた。
 日本女子大の篠原聡子教授は最優秀賞について「可変するものはたくさんあるが、閉めた時の形が一番きれいだった。与条件を的確に整理していた」と評し、学生には「自分の案を的確に伝えるトレーニングも必要」と訴えた。
 優秀賞には野藤優さん(法大3年)の「スキマを介して繋がる家」と、細川みのりさん(日本女子大2年)の「Home Plat Form」、1、2年生の優れた作品を対象とした特別賞には森川文太さん、樋口瑛則さん、中田宗一郎さんの「流れを感じる家」が選ばれた。
 また同日、同テーマで予算400万円の設定で行ったJS社内コンペでは、松井英二さん(千葉北支店)の「UR NEWTRAL STANDARD」が最優秀賞に選ばれた。
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