2013/11/12

【復興支援】鹿島/がれき処理通じ地域貢献


 鹿島は、宮城県石巻市で行っている災害廃棄物処理事業を通じて、事業当初から地域経済復興支援や地元住民の就業支援、働きやすい職場環境づくりなどさまざまな活動を展開している。
 地域経済復興支援の1つが、石巻観光協会と鹿島・清水建設・西松建設・佐藤工業・飛島建設・竹中土木・若築建設・橋本店・遠藤興業JVが共同で開催している定期市「ひばりのご縁市」。石巻観光協会に加盟する地元被災企業や事業者に販売の機会を提供するのが目的で、ことし4月からこれまでに7回開いている。

 石巻の特産品や水産加工品、地元農家生産の野菜のほか、B-1グランプリにも出場する「石巻焼きそば」の屋台などがJV事務所前広場に出店し、毎回、処理事業の職員や作業員の人たちでにぎわいを見せている。今月15日、12月20日にも開催される。
 地元住民の雇用促進と働きやすい現場環境への取り組みにも力を入れている。処理事業に携わる作業員の多くが被災者で、通勤手段のない人もいるため、地元のバス会社と連携して通勤用の巡回バスを毎日運行。作業環境が特殊なため、作業員が気持ちよく作業できるよう、貸与する作業着は現場で回収し、地元のクリーニング業者で毎日洗濯している。
 また、この事業で初めて建設業に携わる作業員も多く、この機会に技術を習得できるよう、希望者には、技能講習や重機操作の講習会を定期的に開いている。これまでに高所作業車や小型移動式クレーン、解体用機械運転技能特例講習などを実施し、個人のスキル向上と、事業終了後も建設関連業務に継続して就業できるような支援体制を整えている。
 宮城県の指導の下、離職する人たちを対象にした「再就職支援プログラム」もハローワークと連携して策定。具体的には、継続教育としてのパソコン講習会、再就職支援としての求人ニュース公開、再就職支援説明会を実施している。今後も個別相談会や雇用保険説明会などの場を設けるなど、支援策を続けていく。
 このほか、がれき処理の過程で見つかった写真などの思い出の品々を保管・管理。写真をデジタル化した上で公開する「思い出の写真デジタル公開センター」もJVの敷地内に設置している(運営・石巻市)。広大な敷地を囲む仮囲いには、地元小中高校生による「アート de メッセージ」を掲示し、復興に向けた熱い思いを発信している。

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