2015/06/19

【深谷組】野球部が“人財”を獲得し、地域を巻き込む 一般社員への相乗効果も

深谷組(さいたま市見沼区、深谷和宏社長)の硬式野球部は、発足1年目で挑んだ都市対抗野球で2次予選(南関東大会)の突破はかなわなかったものの、本業優先の企業チームとして、今後の飛躍へ大きな一歩を踏み出した。深谷社長は「選手は入社1年目で合格点を付けられる。仕事(現場)ではスポーツマンらしい気持ちの良いあいさつや振る舞いなどで、一般で入社した社員と良い意味での相乗効果も生まれており、いいスタートが切れた」と手応えを語る。都市対抗野球への参戦で、地元・さいたま市での認知度も上がり、今夏には「深谷組硬式野球部・陸上競技部を応援する会(仮称)」も正式に立ち上がる見通しだ。

 とび・土工事の専門工事業者(中小企業)が、大企業と戦った南関東大会について、深谷社長は「日本のトップレベルの社会人野球チームの実力を体感でき、勝つためにはどれくらいの力が必要なのか、選手が感じとれたことが何よりの収穫だ」と今回の敗戦を糧に本業優先のスタイルにより磨きを掛ける構えだ。
 8月には2015年3月高校卒業生を対象とするセレクションを行う予定。現在、野球部員は18人だが、16年度は大卒、高卒を合わせて最大で20人程度の採用を視野に入れており、「本業優先の趣旨を理解する若者の集団が形成されることで会社の軸ができてくる」と力を込める。社員数は現在約100人だが、今後3年間で約200人程度の採用を見込んでおり、支店や営業所など基盤を整えながら、19年ごろの500人体制を目標に据える。

さいたま市を表敬訪問
建設業の人材確保の難しさを指摘する声は多いが、「労働条件を改善する施策だけでは人材はなかなか呼び込めない。若者にとって建設業が職業の選択肢となるような、新しい人材を生み出す取り組みに力を入れるべき」と指摘する。
 こうした課題への対応策として、硬式野球部を核とした人材確保・育成策を推進する中で、同社の認知度が上がり、地域の協力体制も整いつつある。深谷社長の知人の協力で、チアリーダーの経験がある有志で構成する私設チアリーディーング部が来年の南関東大会を目指して本格的に始動するほか、地域の会社などと交流しながら同社のアスリートを支援してもらう「応援する会」も立ち上がる見通しで、周囲の期待が日増しに高まっている。
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