2016/03/29

【カナダ生まれ】大豆油由来の塗料が日本市場へ オンタリオ州のプリズム社

カナダ・オンタリオ州の塗料メーカー「プリズム・コーティングス・カナダ」(リチャード・マクソーリー社長)が、市場拡大に向けて日本企業と提携の道を模索している。日本企業とライセンス契約を結び、人体と環境にやさしい大豆油由来の建築塗料を売り込みたい考えだ。日本以外では既に、欧州や中東での事業展開を予定している。
 プリズム社が開発した大豆油由来の水性アルキド樹脂塗料は、VOC(揮発性有機化合物)を含まずに高い品質を実現した。除菌作用を持つ光触媒の親水性技術、シミ・汚れを吸着分解する植物活性酵素などを付加した製品を展開し、医療施設の内装向けから一般建築物の外装に至るまで幅広い用途をカバーできる。

 同社は現在、専門製品をP&Gグループブランド「デュラックス」向けに販売している。2015年のプリズム社の売上高は約150万ドルで、大豆油由来の新製品が市場に本格投入されたことから16年は増収を見込む。VOC規制が厳しいカナダ生まれの製品だが、欧州や中東でもライセンス契約によって年内に販売を開始するなど、世界的な展開が進みつつある。
 日本への参入に向けて同社は、法規制や需要などの調査を進めている。3月上旬、東京で開かれた見本市にあわせて来日したマクソーリー社長は、日本での提携先として「国際展開していない中小規模の塗料メーカー」を念頭に置き、ライセンス契約を目指す方針を示した。
 マクソーリー社長は、「この塗料を製造するのは、設備面なども含めて簡単ではない。しかし、子どもたちや地球の未来を考え、人体と地球にやさしいバイオベースの塗料の普及を進めていきたい」と、パートナー企業へのメッセージと意気込みを語った。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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