アムステルダム中央駅 |
まずアムステルダムの中心に位置するセントラルステーションは、アムステルダム国立博物館を設計した建築家、カイペルスによって設計され1889年に完成した。オランダの“陸の玄関”として中心的な存在で、駅には時計と風向計を備えた2本の塔がある。赤レンガ造りで、外見が東京駅と非常に似ていることなどから、2006年4月に姉妹駅の締結をした。
アムステルダム中央駅の北側にある人工島、KNSM島は、1876年に当時のロイヤルダッチ・スチームボート・カンパニー(KNSM)の客船ターミナルとして構築され、1990年代に再開発が始まった。この島には伝統的なレンガ造りの住宅とは異なり、大規模で洗練されたモダン建築が数多く建築されている。
EmeraldEmpire |
アムステルダムを代表する現代建築家集団としてMVRDVがある。ヴィニー・マース、ヤコブ・ファン・ライス、ナタリー・デ・フリイスの3人の頭文字をとった建築ユニットで、アムステルダムでは高齢者向けの集合住宅「オクラホマ」などが有名だ。彼らは2007年、東京の表参道に「GYRE」を建築し、各層を回転しながら積み上げ、はみ出した部分にテラスなどを配した特徴的な建築を実現している。
アムステルダムの建築を知ろうとする際、非常に有益な場所として「ARCAM(アムステルダム・センター・フォー・アーキテクチャー)」がある。中央駅の東側、レンゾ・ピアノ設計の「NEMO科学センター」へと渡る桟橋の付け根に、小さなガラス張り3階建てのユニークなビルがアーカムだ。
ARCAM |
ここではアムステルダムの建築にかかわる時事ニュースを始め、街にある建築マップ、詳細なデータ、書籍、雑誌なども自由に閲覧できる。アムステルダムの都市計画や建築の歴史についても展示されており、800年代からこれまでの建築の変遷も理解できる。組織として建築関連の各種イベントも主催し、エキシビジョン、公開講座、出版、教育にも貢献している。
アーカムの建物は2003年に完成したもので、若手建築家レネ・ファン・ズークが設計し、大胆なカーブとアルミニウム外板が目を引く。
古くからの街並みと近代・現代建築が調和するアムステルダムには、都市計画や建築に対する探求心が広く息づいている。建築デザインを広く理解することに役立つ都市の一つである。
(おわり)