胆沢ダムは、岩手県奥州市の北上川水系胆沢川上流に築造された、わが国最大級の中央コア型ロックフィルダム。1983年に事業着手し、31年の歳月を経て13年11月に完成した。
この間、地形・地質データや設計図、完成図書などの膨大な情報が蓄積されたが、その大半は紙媒体で保管されている。
同整備局では、胆沢ダムの安全性の確保を前提としたライフサイクル・コストの縮減を達成するため、CIMの構築による最適な維持管理に取り組むこととした。
主要土木構造物の位置をCIMで瞬時に把握 |
これらデータを3次元的に可視化した「胆沢ダムCIM」では、パソコン上でビューポイントとして主要な構造物の位置を瞬時に確認できるほか、関連するドキュメントやシステムにリンクする機能を持たせている。
必要データをタブレット端末に取り込むことで、現場に持ち出すことも可能。600基を超える計測機器の設置場所も現場を歩きながら確認できる。
タブレット端末で日常点検 |
タブレット端末でのビューポイント操作 |
同事務所の西條一彦所長は「建設当時のデータはダムを管理する上で非常に重要であり、瞬時に資料を閲覧できるメリットは大きい。日常点検で活用することにより、変位も見つけやすい」とした上で「CIMをさらに活用し、ダム本来の機能を長期的に提供できるように取り組んでいきたい」と話している。
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