2011/11/01

北海道道東自動車道の夕張~占冠が開通

 東日本高速道路(NEXCO東日本)北海道支社が建設を進めてきた道東自動車道の夕張インターチェンジ(IC)~占冠IC間の34.5㌔が完成、10月29日に夕張市で開通式典が開かれた。これにより道東道は帯広まで全線開通し札幌圏と帯広圏が高速道路で直結、札幌~帯広間の所要時間は従来の3時間半から3時間へ約30分短縮される。
 工事では、4000m級3本を含む計8本のトンネルを建設。もろく崩れやすい蛇紋岩に阻まれながらも、高度な技術と綿密な施工で難工事を克服し無事貫通にこぎ着けた。
 とくに穂別トンネル(4,318m)と占冠トンネル(3,825m)は、土被りが大きいためトンネル壁面への圧力も強く、脆弱な地質と相まって、掘削中に先端部や天井部の崩落、支保工の変形が多数発生するなど、工事は困難を極めた。
 これらの崩落対策として、鏡補強工(掘削先端部の崩落防止)や先受け工(天井部の崩落防止)などの補助工法で自立性を確保しつつ、高速道路トンネルでは初採用となる高耐力二重支保工(高強度材料で支保工を二重に設置)を駆使して早期にトンネル断面を構築し崩落を防止した。また、インバートを極力円形に近い形状とすることでトンネル構造全体の安定化も図った。
 トンネル覆工コンクリートの施工では、近年、継目部の剥落や天端部の充填不足などの問題が顕在化していることから、久留喜トンネル(481m)にNEXCO東日本では初となる「中流動コンクリート」を採用した。中流動コンクリートは普通コンクリートと高流動コンクリートの中間に位置するコンクリートで、軽い振動で型枠内へ均一に充填できるのが特徴だ。

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