徳島県美馬市の谷奥さん |
もともと林業を営んでいたが、台風の災害復旧などを機に昭和50年代以降本格的に土木工事に取り組むようになった。一時は30人近い社員を雇用し、多い時で年間4億円近く売り上げたこともある。手堅い仕事で発注者からの信頼も厚く「仕事はあふれる程あった」とかつてを振り返る。
だがその一方で、「公共事業はいつか行き詰まる」という不安も抱き続けてきたという。そんな時に巡り会ったのがシイタケ栽培だった。2008年に会社の敷地内にハウス設備を整備し、事業に取り組み始めた。
不器用だがこだわり屋でもあると語る谷奥代表。「食は人間の基本」との思いだけはあった。
◇こだわりのシイタケで新境地拓く
試行錯誤を重ねた末、谷奥氏のつくる“じいじいのきのこ"は次第に評判を呼ぶようになった。肉厚で濃厚な味わいのシイタケは、地元徳島県の『阿波の逸品』に認定され、関西など県外にも出荷されている。
異業種への進出が「社員同士の意識共有にもつながった」と話す。社員の半分以上がシイタケ栽培に従事するなど、業務の中心は既にシイタケ生産にシフトしている。「(栽培の)技術的な課題はほぼクリアできた」と自信も見せる。シイタケ栽培の売り上げも来年には本業のそれを上回る見通しだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月6日8面
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