2014/03/17

【東日本豪雪】寒冷地対応のカーポートに問い合わせ急増

YKKAPの寒冷地仕様ジーポートは積雪2メートルまで対応
2月に首都圏を襲った2度の大雪をきっかけに、住宅用カーポート製品の出荷に動きが出ている。記録的な降雪による屋根部への大量積雪で、カーポートが倒れるなどの被害が多発し、より頑丈な寒冷地仕様への製品に買い換えるニーズが高まっている。目前に迫る消費増税も影響し、販売量が例年の2倍に達するメーカーもある。
 東京都心部で16年ぶりに10cmを超える積雪を記録した2月8日。YKKAPのMADOショップには、カーポートやテラス屋根に積もった雪下ろしの問い合わせが相次いだ。東北地域のショップに相談し、顧客に対策方法を伝える対応をとった。
 東京では半世紀ぶりとなる積雪27cmの大雪に見舞われた翌週15日。「カーポートが倒れて車が破損した」といった連絡が入るなど、首都圏のMADOショップ各社は撤去や修繕、付け替え依頼の対応に追われた。立川市内のMADOショップでは大雪以降、日に10件程度の相談が1週間ほど続いた。
 日本自動車連盟(JAF)の調べによると、2度の大雪を含めた期間中の出動件数は、スリップ事故やタイヤチェーン取り付け不具合などに起因する依頼が急増し、関東エリア(1都9県)だけで6000件を超えた。このうち住宅カーポートが積雪によって倒壊し、下敷きになった車の救助は268件にのぼった。
 YKKAPの寒冷地仕様カーポート『ジーポート』シリーズは、2月の販売状況が例年の1.8倍に達した。関東エリアでは2倍以上の伸び。通常、この時期は製品の動きが比較的少ないが、大雪の影響が出荷に如実に現れた格好。関東など一般的な地域で使われるカーポートの耐積雪強度は20cm程度。主に2本足で屋根を支える構造だが、ジーポートなど寒冷地仕様は4本足以上の設計で、最大2mの積雪にも対応できる。
 多様なラインアップをもつ三協立山では、大雪から2-3週間は見積もりや現場状況の確認に追われた。カーポート上の積雪で倒壊するだけでなく、住宅屋根から滑り落ちだ雪の塊で一部を破損したケースもあり、物件によって対応が異なる難しさがあったが、関東エリアを中心に引き合いが拡大している状況で急きょ、工場の増産体制を決めた。LIXILも、関東エリアでは寒冷地対応の商品に対する問い合わせが、ショールームを中心に急増している状況だ。
 12日に初会合を開いた国土交通省の建築物雪害対策ワーキングでは、建築基準法の対象になることから、カーポートの扱いについても被害状況を把握し、メンテナンスや維持管理のあり方も含め対応策を導く方針だ。JAFは「カーポートの積雪に対する強度の目安は耐積雪量で表記されてはいるが、雪の重さは新雪、締雪、粗目雪などで状態により大きく異なる」と注意を呼び掛けている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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