2014/04/21

【会見】「ことしは建築と社会の乖離について探る」 ヴェネチア・ビエンナーレ日本館

左から太田佳代子氏、石山友美氏、山形浩生氏、中谷礼仁氏、小林恵吾氏、本橋仁氏、山岸剛氏
イタリアのベネチアで6月7日から11月23日まで開かれる「第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館における展示内容について、コミッショナーを務める建築キュレーターの太田佳代子氏らが17日、東京・四谷の国際交流基金で記者会見した。テーマは「In The Real World 現実のはなし~現代の倉から~」。1970年代の日本建築と建築メディアの活動を調査分析し、その動向から日本建築文化の現在・過去・未来を俯瞰する。 太田氏はテーマについて「いま社会から乖離(かいり)した建築という問題が世界中で起こっているが、その危機意識は70年代に生まれた。その時、当時の建築家が再び社会へ参加するためにどんな挑戦をしたのか。どう成功し、どんな失敗をしたのか。建築家と社会とのぶつかり合いを展示し、若い世代に建築を社会に回帰させる方法を考えてもらいたい」と強調した。
 参加するのは太田氏のほか、中谷礼仁氏(建築史家)、山形浩生氏(評論家)、小林恵吾氏(建築家)、本橋仁氏(早大院助手)、山岸剛氏(写真家)、石山友美氏(映画監督)。展示に当たってはパビリオンを「日本建築の倉」として位置付け、本橋氏らの調査で発見された日本建築史を彩るさまざまな史料や建築メディアの報道をアーカイブ化。日本建築を構成した要素として紹介する。また、石山氏は建築家の磯崎新氏、ピーター・アイゼンマン氏、伊東豊雄氏、安藤忠雄氏、レム・コールハース氏、チャールズ・ジェンクス氏へのインタビューで構成する映画を撮影。70年代を生きた人間の記憶と現代を結ぶ展示として上映する。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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