2013/05/29

【鉄道】バリアフリー、耐震関連が増加 首都圏大手民鉄7社の設投計画

首都圏大手民鉄7社の2013年度鉄道事業設備投資計画によると、総額は前年度(計画ベース)比2.9%減の1562億円となった。従来から進めている連続立体交差事業や輸送力増強に向けた相互直通運転に関する事業に加え、大規模地震などの自然災害に備え、構造物の耐震化などに重点配分する傾向が強まっている。このほか、駅のバリアフリー化やリニューアルなど、サービス向上分野に力を入れる事業者も目立つ。
 各社の震災対策を見ると、東京急行電鉄は五反田など3駅や学芸大学駅付近の高架橋のほか、東横線田園調布駅付近などのトンネルを対象に耐震補強を進める。東武鉄道は高架橋・長大橋梁・土構造物や駅舎・跨線橋・ホーム上家などの改修・改築・耐震補強を予定。小田急電鉄は代々木上原、本厚木の各駅部、厚木~本厚木駅間などの高架区間、相模川橋梁の耐震補強に加え、相武台前~座間駅間など3区間で法面保護工事を実施する。

◇耐震関連

 西武鉄道は秩父線横瀬~西武秩父駅間の高架橋の耐震補強や土砂崩壊の防止の観点から東吾野~吾野駅間の法面改良を計画している。京浜急行電鉄も高架橋の耐震補強、法面防護、トンネル補修などを実施。同社は昨年9月に追浜~京急田浦間で発生した土砂崩落事故を踏まえ、類似斜面に落石防護柵や落石検知装置も設置する。京成電鉄は京成八幡など4駅と高架橋、トンネル、法面のほか、変電所の耐震補強も実施する。

◇連続立体

 連続立体交差事業では東武鉄道が竹ノ塚駅付近高架化工事で下り線と緩行線の高架橋本体工事、小田急電鉄が東北沢~世田谷代田間の複々線化事業で下北沢駅前後に残っている緩行線トンネルの構築などに着手する。西武鉄道は石神井公園駅付近高架複々線化工事の2期区間となる石神井公園―大泉学園駅間の工事を推進するほか、4月に事業認可を受けた約2.4㎞を地下化する中井~野方駅間の工事に入る。
 昨年10月に蒲田駅付近の上下線の高架化が完了した京浜急行電鉄は駅舎や切替点の工事を推進。京成電鉄は押上線の押上~八広間1.5㎞の上り線を高架線に切り替える。相模鉄道は相鉄本線星川駅~天王町駅間の高架橋本体の構築や道路交差部の橋桁の製作・架設などを進める。

◇相互直通運転

 相互直通運転関連では、東京急行電鉄が東横線と東京メトロ副都心線の相直運転に伴い不要となった東横線旧渋谷駅と渋谷高架橋などの撤去工事を実施。相模鉄道はJR東日本との相直運転に関連して瀬谷駅の改良工事を推進する。
 サービス向上分野では、多くの事業者がエレベーターやエスカレーターの設置によるバリアフリー化などを予定してる。西武鉄道は1日約47万人が利用する池袋駅のリニューアルを新規事業として打ち出している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月29日

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