2015/04/25

【清水建設】「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」と「陸前高田市かさ上げ現場」でIR見学会

清水建設は16、17の両日、東北地方でアナリスト向けのIR現場見学会を開いた。見学先は青森県六ヶ所村で建設が進むメガソーラー発電所と岩手県陸前高田市の震災復興事業。「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」は施工中のメガソーラーとして国内最大規模となる。一方、陸前高田の震災復興では、巨大なベルトコンベヤーを張り巡らせて高台を造成する=写真。再生可能エネルギーの導入拡大、震災復興事業と、ともに社会的課題に直結した大規模現場だ。

 出力115メガワットのユーラス六ヶ所ソーラーパークは、東京ドーム約50個分、253haという広大な敷地に、計51万枚もの太陽光パネルを配置する。太陽光パネルを含めた請負金額は410億円。2013年夏に着工し、15年内の完成を目指している。

鷹架地区メガソーラー
発電所は、互いに10㎞程度離れた「千歳平北地区」と「鷹架地区」の2つのサイトに建設するが、敷地形状に応じて異なる施工方法を採用している。起伏に富んだ千歳平北地区では、土地造成を極力抑えるためH形鋼の杭基礎を適用。さらに、自律飛行測量機を飛ばして3次元電子地形図を作成し、敷地の傾斜などに応じてパネル配置を最適化している。これはパネルによる影の影響を防ぎ、効率的な発電につなげる狙いがある。
 一方、平坦な埋め立て地である鷹架地区にはコンクリート基礎を採用している。設置位置によって風の影響などが異なるため、3タイプの大きさの基礎を使い分けた。地震による液状化現象で沈下が発生しても、基礎部にスペーサーを挿入して高さを調整できるよう配慮している。

現場では55トン重ダンプが走る
都市再生機構による「陸前高田市震災復興事業の工事施工等に関する一体的業務」は、清水・西松・青木あすなろ・オリエンタルコンサルタンツ・国際航業JVがCM(コンストラクション・マネジメント)方式で受注した。長さ3㎞の巨大なベルトコンベヤーを張り巡らせ、高台から掘削した大量の土砂を搬送して旧市街地をかさ上げ造成する。現在の進捗率は33%で、2018年の事業完了を目指す。
 ベルトコンベヤーは秒速約4mで、1時間に約6000tもの土砂を運ぶ。気仙川を横断するベルトコンベヤーの仮設橋は公募により「希望のかけ橋」と名付けられた。環境に配慮し、河川内に橋脚を作らない吊り橋構造を採用した。
 搬送する土砂は発破で掘削し、破砕機で処理してから搬送するが、「思ったより岩が硬く、破砕機の損傷が大きい」(同JVの峯澤孝永プロジェクトマネージャー統括管理技術者)という。ベルトコンベヤーへの負荷も大きく、過去にはトラブルなども経験しているが、「今は、先回りでメンテナンスしているのでトラブルは発生していない」(同)という。
 この現場では、55tの重ダンプトラックや12m3の大型油圧ショベルなど、通常の現場ではあまり見ることのできない超大型建設機械を投入している。建機にはGPS(全地球測位システム)を搭載し、3次元設計データとも連動させながら運行管理する。
 「この地に再び住むことを心待ちにしている人たちがたくさんいる。われわれの使命は早期施工に尽きる」と峯澤氏は力を込める。
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