2016/11/16

【旧国立駅舎】あの「赤い三角屋根」再び! 情報発信・交流施設として再築へ


 「赤い三角屋根」で親しまれた旧国立駅舎の“再築”が具体化する。東京都国立市は、東日本旅客鉄道(JR東日本)と建設用地の売買契約に関する覚書を締結した。来年2月ごろまでに売買契約を結びたい考えだ。旧駅舎をほぼ元の位置に再築して情報発信・交流機能を持たせる。既存部材の保有性能調査を含む設計と施工は、公募型プロポーザルで選定した竹中工務店が担当。現在進めている基本設計に続いて年明けから実施設計に入る。2018年2月ごろに着工し、20年2月の完成を目指す。総事業費は約10億円。

 旧駅舎は大正期の駅舎で、木造(大壁構造)平屋建て220㎡、高さ12.39m。当時、国立を開発した箱根土地が建設して鉄道省に寄付した請願駅で、解体前はJR原宿駅舎(1923年竣工)に次いで現存する2番目に古い駅舎だった。赤い三角屋根(切妻大屋根)と白い壁の外観にアーチ窓を組み合わせたデザインで、国立のまちのシンボル的存在となっていた。
 再築では、建物の外観を26(大正15)年開業当時の姿に復元。施設内には観光案内所や展示スペース、多目的スペースを整備する。
 JR東日本との覚書締結は、10月31日付。取得する土地は旧駅舎のあった場所から南西に数mほどの国立駅南口の510㎡。隣接する市有地を合わせた同市東1-1の648㎡が事業対象地になる。今後、12月補正予算案に用地取得費6億6000万円を計上する。
 旧駅舎は、JR中央線の高架化に伴い06年に解体された。同市指定有形文化財・建造物で、シンボルになっていたことから、同市は将来の復元に向けて柱や梁、窓枠などの部材をJR東日本から引き取り、保管してきた。
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