2012/07/15

青木淳氏が「はらっぱ」空間を解説 小布施町づくり大学の第2回講義

講義の様子
 東京理科大学小布施町まちづくり研究所(川向正人所長)と日刊建設通信新聞社が共催する「平成24年度小布施まちづくり大学」の第2回講義が9日、建築家の青木淳氏を講師に迎えて長野県小布施町役場で開かれた=写真。テーマは「はらっぱ~そこにいると、なにかをはじめたくなる空間をめざして」。青木氏は、自由で、居心地がよくて、何気なく訪れたくなる、何かをしたくなる、そのような質を持った空間づくりを目指しているとし、その空間を「はらっぱ」と説明。機能や隙、自由などをキーワードに解説した。

 例えば、英国の近代美術館「テート・モダン」を、「当初は発電所として所期の目的に沿って首尾一貫した理論のもと合理的につくられた。所期の目的はなくなったが、その理論が現在も残り、ある質を持った空間として存在しているからこそ、美術館として機能が変わっても楽しい空間になっている」と説明。また、デザインしたものとデザインしないものの間にある隙が使い手に自由を与えるとし、この隙も「はらっぱ」を構成する概念の一つとした。
 東日本大震災では被災地を訪れて被災者と対話を重ねた。「復興はこの話から始まるし、そこにいろいろなヒントがある。また、そこに生きている人たちが自分たちで考えて動く。建築家の役割はそれをサポートすることだと思う。建築家は、得てして、代理人としてほしいのはこういうものでしょうと提案したがるが、そうではないと思う」とした。

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