2015/08/15

【夏休み特集】来年のご参考に…建築・建設・土木のイベント記事ご紹介![4]

■高架橋、大きい! JR常磐線移設復旧工事で鉄筋接合体験も 福島建協の親子見学会

 福島県建設業協会(小野利廣会長)は7月24日、宮城県山元町のJR常磐線移設復旧工事現場などで、第3回親子建設現場見学会を開いた。9組19人の親子が普段は見ることができない工事中の鉄道高架橋に上り、その建設過程を学ぶとともに土木現場の迫力を体感した。

 「未来をつくる!建設業ってすごい!!」と題するこのイベントは、将来を担う子どもたちに学習の場を提供するとともに、建設産業に興味や関心を持ってもらい理解を深めてもらおうと、2013年度から毎年行っている。
 3年目となる今回は、JR東日本東北工事事務所の協力を得て、山元町から福島県新地町にかけて行われているJR常磐線の復旧工事を対象に実施した。
 東北工事事務所常磐復興工事区(石川文雄区長)の事務所で、建設工事の役割や必要性、常磐線の復旧概要などを聞いた後、常磐線復旧工事で最長区間となる山下工区(施工=鉄建、柳川厚所長)の現場を訪問した。
 子どもたちは、間近に見る高架橋の大きさを体感した。この後、石川区長や柳川所長の説明を受けながら、測量機械や鉄筋接合の作業体験、高架上での記念撮影などを行い、普段は見ることのできない鉄道工事について楽しみながら学んだ。


■日本工学院蒲田キャンパス現場で埼玉の工業高生らが先端技術学ぶ 彩の国実践的技術力育成塾 

埼玉県工業教育研究会は7月27日、2015年度「彩の国実践的技術力育成塾」として、現在、東京都大田区で大林組が施工中の片柳学園日本工学院専門学校蒲田キャンパス再整備計画II期工事現場を見学した=写真。熊谷、大宮、浦和、川越、春日部の工業高校5校から生徒31人、教員11人が参加、建築の面白さ、妙味を学んだ。
 この塾は、最新の建設現場を見学し、技術の活用方法などについて、施工担当者から講義を受けることで建設技術の知識を高めるとともに、建設業への興味と関心を高めてもらい、進路意識を向上させるのが狙い。教員には「高度専門講座」、生徒には「先端技術講習会」として開催された。この日、講義を担当したのは、施工を担当する大林組の板井敬吾さん(入社6年目)と木下雅己さん(4年目)。参加した生徒は、建築を学ぶ1年生から3年生で、日本工学院が協力した。
 最初に板井さんと木下さんから、建築の概要と導入技術についての説明があった。特に基礎では、東京スカイツリーでも使われた「ナックルパイル」工法が使われていること、地下に造られるバスケットコート4面分の大空間には張弦トラス構造、地下掘削には逆打ち工法を採用していることを紹介した。
 見学を終えた生徒からは、「どういう資格を取った方がいいか」「現場に女性はいるか」「何人くらいが作業しているか」「地下1階分を掘るのに、どれくらいかかるか」など、教員からも「地震に対してどういうメカニズムで対応しているのか」といった質問が出た。
 最後に木下さんが「建築は幅広い分野を学ぶことが必要だ。いろいろなことを学ぶ中で、興味を持ったことを調べていくということが重要になる」と話し、板井さんは「今回、現場を見てもらって、楽しそうだと思ってもらえれば幸いだ。その気持ちのまま、建築の道に進んでもらえればと思う」とエールを送った。


■江戸前アサリはいつ・どこで「わく」? 近隣の小学生らが調査 横浜港湾空港事務所

横浜港湾空港技術調査事務所は7月30日、同事務所(横浜市神奈川区)の人工干潟「潮彩の渚」で、江戸前アサリ「わくわく調査」を実施した=写真。小学生を中心に近隣住民約20人が参加した。子どもたちはアサリの採取や分別と貝長計測などデータを収集するとともに、魚など海の生物とふれあい、海辺を楽しんだ。
 アサリは干潟の代表的生物だが、東京湾では近年少なくなり、ほとんど見つからない干潟も存在する。このため東京湾のアサリがいつ・どこで「わく」かを調べる同調査が現在、千葉県の千葉ポートパーク、三番瀬、東京都の葛西臨海公園、横浜市の八景島海の公園、野島前浜干潟など各地で実施されている。
 当日は赤倉康寛所長のあいさつの後、同調査を手掛けている風呂田利夫東邦大名誉教授や国土技術政策総合研究所の職員が調査目的を説明した。事務所職員のサポートによって子どもたちは大量のアサリを採取するなどし、円滑に調査を進めた。


■清水建設の技研で高校生、女子中学生向けセミナー 地震対策など学ぶ
清水建設は8月5日、技術研究所(東京都江東区)などで中・高校生を対象にした夏休みイベントを開いた=写真。高校生向けには「シミズ・オープン・アカデミ(SOA)夏休み高校生セミナー」を、女子中学生向けには「真夏の中学生☆meetsシミズ」として実施した。
 SOAセミナーには首都圏の高校生など16人が参加。実験施設で地震対策の最新技術を学んだほか、サーモカメラを使った輻射空調システムの効果測定、ビオトープでの生物観察なども行った。
 女子中学生向けの体験学習は、内閣府男女共同参画局主催の「理工チャレンジ(リコチャレ)」の一環で、理工系分野への女性進出を後押しするのが狙い。中学生32人が技術研究所や東京木工場、銀座5丁目計画建設所の現場を訪れ、免震・制震などの先端技術を見学したり、ものづくりの面白さを体験した。


 ■「人間が作る最大のものづくり」学ぶ 専門・高校生が九州竹和会でインターンシップ

九州竹和会は、竹中工務店九州支店の協力のもと、福岡県内の専門学校・高校生を対象にしたインターンシップを実施している=写真。6、7日の2日間の日程で、3校25人が中村工業など9社で建設作業を体験する。
 インターンシップは、建設業のPRと就職活動の一助として実施し、昨年11月の開催に続き今回で2回目となる。6日に支店で開いたオリエンテーションで九州竹和会の牧好幸人材育成委員会委員長は「自分の適性を見つめ、成長につなげてほしい。アルバイトでは得られない体験」、同支店の牧旨之次長は「人間が作る最も大きいものが建築や土木。ものづくりの楽しさを味わってほしい」と呼び掛けた。また、昨年のインターンシップに参加し、ことし入職した中村工業の森永優汰さん、アオケンの國方佑介さんが今の仕事や日ごろ思っていることなどを発表した。この日は、建設業の仕事や竹中工務店の事業などを学び、同社施工で工事が進む日本郵便の大型商業施設「KITTE博多」の現場を見学した。
 7日は、受入企業の中村工業、寺田建設、栄進工業、福岡鉄筋工業、アオケン、サンキ装工、橋本工業、ハーテック九州支店、森硝子店の9社に出社し、鉄筋曲げや圧接、石膏ボード張りなどそれぞれの専門職を現場などで体験。その後、支店で意見交換する。


■女子小中学生がCAD設計に挑戦! 杏林大キャンパス新築現場でけんせつ小町見学会

日本建設業連合会(中村満義会長)は7日、女子小中学生に建設業を身近に感じてもらうイベント「けんせつ小町活躍現場見学会」を開いた。今回は、設計・監理を松田平田設計、施工を竹中工務店が担当する「杏林大学井の頭キャンパス新築工事」(東京都三鷹市)で設計や塗装などを体験した。女性作業員10人を含む約20人のなでしこチーム「杏林KOMACHI」のメンバーが、アイデアを出し合って体を動かしてもらえるようにとイベントを企画した。
 最初に、三機工業の女性設計者の指導を受けながらCADを使って配管図面の設計体験をした後、実際の工事で施工されたダクトを見学した。うまくデザインできない児童が多く、ものを造る難しさを体感した。左官と塗装体験コーナーでは、初めは恐る恐る塗っていたが、次第に手慣れた手つきで壁一面に塗料などを塗った=写真。参加した児童の母親は、「子どもの将来の選択の幅が広がれば良いと思う」と楽しそうに作業する姿を見守った。高所作業車に乗って、ぶら下がっているお菓子のつかみ取り大会なども行われた。
 竹中工務店東京本店作業所工事担当の島田梨瑛さんは、テレビでイタリアの建築物を見て建築を志したと話しながら、「建設はチームでやることなので、仲間を大事にすることを一番大切にしてほしい」とメッセージを送った。
 見学した工事は、現在同大学の八王子キャンパスにある保健学部、総合政策学部、外国語学部のほか、大学院の保健学研究科と国際協力研究科を移転する計画だ。規模は、本部棟がSRC造5階建て、本部棟以外の5棟は柱RC梁S造5階建て総延べ4万5855㎡。全棟免震構造を採用しており、学生の安全を確保することに加え、地域の防災拠点としての役割を担う。建設地は三鷹市下連雀5-4-1の3万4770㎡。


■新潟高校生40人が建技で「東京研修」 土木の世界のおもしろさを学ぶ


 建設技術研究所と建設技研インターナショナルは、新潟県立新潟高校の生徒40人の会社訪問を受け入れた。同校は「東京研修」と称し、1、2年生が夏休みを利用して、都内の大学と、同校OBの在籍する企業を訪問する機会を設けている。両社は共同で会社訪問を受け入れ、土木の役割、建設コンサルタントの仕事などについて説明した。
 生徒からは、「わたしたちの身近な新潟県内の業務にも携わっていると知って親近感がわいた」「身近な所から海外までさまざまなことをやっているのは意外だった」「それぞれの部の仕事が分かりやすくまとめて説明されて楽しかった」などの感想が聞かれた。
 両社には、それぞれ複数の同校OBが在籍していることから、受け入れの打診があった。昨今の理系、土木離れが進む高校生に、「土木の世界のおもしろさ」を知ってもらう機会であると判断し、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として受け入れた。
 建設技術研究所東京本社で村田和夫社長のあいさつ、新潟高校OBによる歓迎の言葉に続き、講義として「土木・建設コンサルタントについて」「プロジェクト紹介(国内業務)」「同(海外業務)」を行った。その後、技術部の執務室見学や、河川計画と橋梁設計の業務内容などの説明があった。


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