2015/08/22

【京葉ガス】平均施工時間を半分に! バイパス、シャッター装置不要の継ぎ手開発

千葉県北西部で都市ガスを供給する京葉ガス(千葉県市川市、潟山英清社長)が、大多喜ガス(同茂原市)、北陸ガス(新潟市)、JFE継手(大阪府岸和田市)らと共同開発したガス工事用部材「シャッター装置不要型 鋼管/鋳鉄管用トランジション活管分岐継手」が全国で広がりを見せている。従来からある切断分岐工法に比べ、同工法で必要なバイパス管の設置が不要で施工性も大幅に向上させたことから、平均工事時間で約半分、工事面積も4分の1で済むのが特長だ。日本ガス協会の2015年度技術大賞にも選ばれている。

 道路に埋設されたガス管を分岐する場合、既存のガス管に継手を取り付ける。
 切断分岐工法では、ガス供給を止めないために、継手を設ける箇所を含め長さ約4mを掘削し、バイパス管をつなぐ。その後、継手を取り付け、バイパス管を撤去するため、掘削開始から埋め戻しまで約6時間の平均工事時間を要していた。
 また、バイパス管を設けずにガスを流したまま分岐できる継手もあるものの、ガス漏れを防ぐためのシャッター装置を取り付ける必要があった。さらに既存ガス管に穴を開ける際に出る切片・切粉を回収するなどの工程もあり、切断分岐工法同様、多くの工具を必要とした。
 そこで京葉ガスらは、ガス遮断シャッター機能や切片・切粉回収機能を備えた受け皿内蔵の継手を開発。既存ガス管にこの継手を取り付けた後、専用の穿孔機で既存ガス管に穴を開け終わると、同時に穿孔機と受け皿が一体化する。そのため、穿孔機を引き上げると受け皿に乗った切片・切粉を回収でき、さらにその受け皿は継手上部でシャッター板の役目を果たす。これにより、今まで工程ごとに別の工具を使っていた作業を1度で終えられるようになった。
 ガス管や上下水管などが密集する都市部、掘削できるスペースが限られる箇所、短時間で工事を終えなければならない箇所など、悪条件であるほどこの継手の強みが生きる格好だ。
 鋼管用は01年に開発し、鋳鉄管用を求める声が寄せられたことから05年には鋳鉄管用もラインアップに追加した。
 これまでに全国52のガス事業者が採用しており、14年末までの累計出荷台数は6726台(鋼管用3993台、鋳鉄管用2733台)。今後も台数を伸ばしていくことが目標だ。
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京葉ガス 千葉県市川市市川南2-8-8。電話047-325-4500(技術研修センター技術開発グループ)。
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