2016/04/14

【水戸市新市民会館】設計競技審査をYouTubeで公開! 最優秀は伊東豊雄案


 水戸市は、新市民会館等施設建築物設計候補者選定に伴う公募型プロポーザルでの公開プレゼンテーション・ヒアリングの模様をYou Tubeで公開している。2次評価に進んだ代表企業5者のプレゼンとそれに対する評価委員会(委員長・貝島桃代筑波大准教授)の質疑が閲覧でき、特徴ある提案内容やコンセプトが評価委員との真摯な応答を通じてリアルに感じ取ることができる。

 新市民会館は東日本大震災で施設が破損し使用停止した水戸市民会館を水戸芸術館の隣接地に移転、市街地再開発事業により整備する。
 代表企業に60者が参加表明し53者が技術提案書を提出、2次評価を経て伊東豊雄建築設計事務所が最優秀者に選定された。市内企業は3者が参加表明し技術提案書を提出、2者による2次審査で横須賀満夫建築設計事務所が選ばれた。今後、両者で設計共同企業体を結成、市が設計者として事業主体の泉町1丁目北地区市街地再開発準備組合に推薦する。
 市のホームページには審査経過とともに、2次評価に進んだ代表企業5者の提案書や評価委員会の講評なども掲載している。
 動画が公開されている水戸市のページはこちら

◆最優秀の伊東豊雄案 集成材で骨太な「やぐら」
 最優秀の伊東豊雄案は、地場産を含む大断面集成材による木構造を取り入れ、骨太なやぐら状の木組みが建物をつつみ、広場をつくる。質疑では、建物の防火区画や木材の調達方法、コストと構造の関係などについて、木材の使用量を約3000m3とし、複数のメーカーとすでに調整中で調達は可能だと説明。1時間耐火構造の認定を受け、安全性が検証済みの構造を採用するとし、国産のマツ・スギをふんだんに公共建築に使うことで国際的にもアピールできると強調した。
 講評では「やぐら状の木組みが建物をつつむとともに、市民活動を支える大きな公共空間『やぐら広場』を実現しており、自然環境に配慮したイメージを演出し、水戸藩城下町にふさわしい」と高い評価を得た。このやぐら広場は「水戸芸術館の広場に向けて開かれるとともに、国道50号と広場をつなぐような形でL字型に設けられており、広場がまちとつながる劇場として、非常に効果的である」と判断された。大ホールは「柔軟な運営を可能とするために、さまざまな舞台形式の利用が想定されている」ことに加え、「ショップ・商業施設・会議室・スタジオなど、人が常時使う空間が国道50号側の商店街に対してまちの顔をつくっており、人のにぎわいがまちにあふれ出すように計画されている」ことも高く評価された。
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