東鉄工業は7日、埼玉県久喜市の東日本旅客鉄道(JR東日本)鷲宮新幹線保守基地で、線路保線業務に使用する大型保線機械の見学会を開いた。今回で4回目となる現場見学会は、広報、IR活動の一環として実施。アナリストやメディア関係者が参加し、保線機械の試乗や作業デモンストレーションを見学した。写真は新幹線用のマルチプルタイタンパ(MTT)。
公開した保線機械は、同社が保有している新幹線用のマルチプルタイタンパ(MTT)とレール削正車(24頭式)の2機種。同社ではMTTを16台、レール削正車を8台保有し、在来線と新幹線の線路保守業務で使用しており、特にJR東日本管内の新幹線では、ほぼ全線で運用している。
全長36.9mのMTTは、列車走行の影響で生じた線路のゆがみを修正する。沈み込んだレールを装置が持ち上げ、タンピングツールと呼ばれる、振動する鉄製の棒を突き立て、枕木の下にバラストをかき込む。それにより線路の軌道をミリ単位で修正できる。同社では管理者1人、オペレーター2人の編成で作業し1時間当たり300-400m、年間約30㎞を施工している。
レール削正車(24頭式) |
レール削正車は、車両に設置された砥石をレールに押し当てて表面の傷や凹凸を除去する。それにより、レール頭部が円滑になり、レール交換時期が延伸されるほか、騒音の軽減にもつながる。直径250mmの砥石が24個設置されており、車両の1度の通過で平均0.01-0.04mm削正する。砥石の角度を調整しつつ施工区間を何度も往復することでレール頭部を円滑にする。動力車、削正車、運転室付き削正車で構成され、全長は47.5m。技術者2人と管理者1人で作業し1時間当たり4-6㎞、年間約600㎞施工する。
東鉄工業は、MTT、レール削正車のほかにもバラストを締め固めるバラストレギュレータや、枕木などを運搬する軌道モータカーなどの大型保線機械を計101台保有している。見学会であいさつした小倉雅彦社長は「保線業務は大事な作業なので時間をかけて専門部隊を養成している。この部隊が夜間に作業し、日本の鉄道を支えていることが分かっていただければ幸いだ」と話した。
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