2012/08/17

和の雰囲気生かした木造施設 徳岡設計の九州大の伊都ゲストハウス

伊都ゲストハウス
徳岡設計(兵庫県尼崎市)は、木材の特性を生かした木造公共建築に取り組んでいる。3月末に竣工した九州大学伊都キャンパスの伊都ゲストハウス(福岡市西区元岡744、木造3階建て延べ2110㎡、施工・松井建設)は、キャンパスとの調和を図るとともに、外国人研究者を迎えるのにふさわしい「和の雰囲気が感じられる」木造施設になっている。
 同施設ではスギを中心とした間伐材などの森林資源を活用し、林業・木材産業の再生を図るとともに、木材利用による地球温暖化防止を幅広くアピールしている。
 木の魅力を最大限に引き出したデザインを目指し、火災発生時の燃えしろを余分に見込む「燃えしろ設計」を採用。建物外部に露出を可能とした木柱によって木造建築の力強さを表現したほか、バルコニーの縦木格子や水平ルーバーによって繊細さを表している。内部では、杉羽目板張りの腰壁や杉竿縁の天井などで温かい環境づくりに心掛けた。また、間伐材などの小径部材の使用が可能な拡張樹脂アンカー工法を用いることで、これからの木造公共建築の発展につながるよう配慮している。
 一方平面計画では、プライベートとパブリックを明確に分けつつ中庭を介して柔らかくつなぎ、「奥性」が感じられる日本的な空間構成としている。
 この事業は、福岡県の「2010年度森林整備加速化・再生事業」における木造公共施設等整備(先駆的施設整備)の補助対象事業となっているほか、7月には木材利用中央協議会の「12年度木材利用優良施設林野庁長官賞」を受賞している。

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1 件のコメント :

  1. この設計事務所いつもデザインばかりを強調していますが、時代遅れではないですかねー。今は機能性、コスト、使いやすさの時代ですよ。
    それから、規模のわりにいろいろなジャンルに手を出していますが、専門性ないんですかねー。建築屋さんの評判もあまりよくありません。

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