2015/12/20

【素材NOW】グレー色で、発電能力と建物美観の両方を満たす薄膜太陽電池!


 ドイツ医薬化学品メーカーのメルクが、グレー色の半透明有機薄膜太陽電池(OPV)モジュールの販売を始めた。同社先端技術事業統括者のブライアン・ダニエルズ氏が「これにより建材一体型OPVの採用は大きく前進する」と期待するように、建築部材への活用が一気に広がる可能性を秘めている。

 従来の無機薄膜太陽電池は天候によって拡散する太陽光や気温の上昇といった条件下で、急激な性能低下が見られたが、OPVモジュールはそれを克服できる。半透明で色の調整もできるため、建物の形状やデザインに合わせやすい。特に色味として使いやすいグレーの登場によって採用の幅は広がった。
 建築物のゼロエネルギーを推し進めているEU(欧州連合)では、グレー色のOPVを基盤とするアクティブ型の建築部材が発電能力と建物美観の両方を満たす素材として注目を集めている。イタリアのミラノ国際博覧会ではドイツ館に採用され、エチオピアのアフリカ連合平和・安全保障理事会本部施設にも導入されている。
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