東京都目黒区の新たなランドマークとなっている首都高速大橋ジャンクション屋上に、田んぼが出現した。これは、首都高速道路会社が大橋換気所屋上部分を活用して整備したもので、約1100㎡のエリアに樹林地や草地、せせらぎなどを設け、多様な生物の生息空間を創りだした。28日には、地元目黒区の菅刈小学校の児童約40人らが、地上約35mにある水田で田植えを体験し、都心の空中に出現した自然と触れ合った=写真。
この水田は「おおはし里の杜」と名付けられ、目黒川周辺の原風景を再現した。換気所屋上という場所柄から特有の荷重条件があり、施工にはさまざまな工夫が凝らされた。造成面の下部には発泡スチロールのような軽量嵩上材を使用し、土も通常の半分程度の重さという軽量人工土壌を採用した。斜面部分にはメッシュリングを埋め込み、土を安定化。雨水再利用システムも整えた。施工は青木あすなろ建設が担当した。
秋の収穫まで続く小学生の稲作体験の初日となった今回は、首都高の橋本圭一郎社長も児童に交じり田植えを行い、「この地域の昔の姿をイメージしながら、田植えを楽しんでほしい」と呼び掛けた。
子どもたちは、「こんなに大きなジャンクションの屋上に、田んぼができるとは思わなかった」「農業の人の苦労を少しでも分かりたい」などと話していた。
換気所の屋上緑地は、大橋ジャンクション(JCT)をグリーン化するプロジェクトの一部。2012年度末には、覆蓋化されたループ屋上に約7000㎡の面積を持つ区立公園「目黒天空の庭」や、JCT内側に約3000㎡の自由広場もでき、全体で約1・1haに上る緑空間が市街地に生まれることになる。屋上公園などの整備工事は戸田建設の施工で、7月下旬にも着工する予定だ。
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