工事が進む興長禅寺客殿 |
曹洞宗・興長禅寺の客殿として、書院造りのシンプルで力強い外観とした。和室21畳2部屋、8畳2部屋、応接室などを備え、木造平屋建て約270㎡となる。屋根は隣接する本堂との統一感を持たせるため、銅板屋根を採用している。
柱にはヒノキ、化粧材にはスギの無垢材を主に使用。床の間の主役となる床柱には、深い年輪の刻まれたヒノキの銘木を配し、天井の杉板には多様な笹杢(ささもく)の木目が表れるなど、木材特有の美しさを表現している。施工は松浦建設(石川県能美市)。
「何代も引き継がれる社寺建築には、歴史的に長寿命が証明されている無垢材を使うのが一番。板を接着剤で貼り合わせた合板を使わないため、屋内が自然の状態に近い。天然の木材が心身にもたらす快適さを体感できる」とその効果を語る。
素材の良さがそのまま出るだけに「木造社寺建築には嘘のない真摯(しんし)な気持ちが最も大切」との想いで設計に臨む。
無垢材中心の木造建築を造るには「宮大工の技術が不可欠」とも。その魅力をPRする見学会を開くなど技術の継承にも心を配る。
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