2012/08/09

宮古の「たろう観光ホテル」を津波遺産として保存へ

被災したたろう観光ホテル
岩手県宮古市は、「たろう観光ホテル」を津波遺産として保存整備する。この調査業務委託に伴う公募型プロポーザルを公告、参加表明書は24日まで受け付ける。
 この事業は、東日本大震災の津波の脅威を後世に伝えるため、津波が直撃し損壊した姿を現地にとどめている「たろう観光ホテル」を保存整備するものだ。防災意識の啓発に加えて、関連産業の活性化や地域のコミュニティー活動の創造など、まちづくりへの波及効果を担う施設としたい考えだ。

3階も床が抜けている

4階以上は営業時のままの姿だ
1986年に建てられた「たろう観光ホテル」(同市田老字野原80-1)の規模はS造6階建て延べ2383㎡。津波被害は1-3階に集中し、2階まではフロア全体が抜け落ち、3階も大半の床が抜けている。外壁は1-2階と3階の一部が破壊され、鉄骨がむき出しになっているが4階以上はほぼ当初の状態で残されている。
 提案書の提出期限は29日。30日に書類による1次審査を行う。9月4日のプレゼンテーションを経て、同6日に最優秀提案者を特定する予定だ。履行期限は2013年3月31日。
 参加資格は、同市の建築関係建設コンサルタントに登録され、03年度以降に元請けとして人文系展示施設の調査か基本計画、展示設計業務の受託実績があることなど。
 業務内容は、▽建築現地調査▽構造計算・診断▽保存活用調査▽公開活用計画▽運営計画▽波及効果--など。委託上限額は3500万円(税込み)。

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1 件のコメント :

  1. 津波防災を考える人達が世界中から訪れる「聖地」になると信じます。

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