2015/01/28

【働きかた】10年目には母国にランドマークを 三菱地所設計・兪一非さん

中国の大学で建築設備について学んだ後、「もっと広い世界を見たい」という思いから大阪大学大学院に入学した。建築設備を専門分野に選んだ理由について、「建物の長寿命化を進める上で重要性が高く、先進的な技術が次々と生まれてやりがいがある」と語る。

 現在は空調衛生設備を中心に設計から現場監理までを担当している。入社当初は現場で交わされる専門用語にも悩まされたが、「苦労を苦労として考えるのではなく、わたしにしか体験できないチャンスとしてとらえれば、もっと力が発揮できるようになる」という信念で乗り切った。
 また、語学力を生かして中国での環境技術のコンサルティング業務にも携わる。ただ、本格的な研究には日本語で取り組んだために「中国語の専門用語が分からない時がある」とも。中国では大気汚染などをきっかけに環境への関心が高まっており、設備技術への注目度も高い。建築設備の性能も日中間で大きな差はないが、「完成後にどう効率的に運用するか、きめ細かなアフターサービスに日本の設備設計者の重要な仕事がある」と感じている。
 将来の目標について聞くと、「入社4年目となり、これからがいろいろな経験ができる時期だと思う。10年目を迎えるころには、1つの物件を担当できるようになり、中国でランドマーク的な建物を三菱地所設計の作品としてつくりあげたい」と力を込めた。
 好きな建築は三菱一号館。苦手だった納豆は現場の弁当に出されてから食べられるようになったと笑う。浙江省杭州市出身。1984年9月9日生まれ、30歳。
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