近年、日本のモダニズム建築の名作といわれる建物の建て替え計画をよく聞く。神戸の日本真珠会館、京都会館、ホテルオークラ東京本館…いずれも世界的な評価も高く、有形文化財に指定されているものもある。しかし、耐震性や老朽化による維持の難しさ、コストの高さから解体、建て替えとなることも多い。建物の歴史的価値を知る団体や人々による保存運動もあるものの、コストまでは負担できない。
本書は、建築を学ぶ大学生に不思議な力を与え、建物の記憶をたどる物語だ。主人公はあるきっかけから古い建物に触れると、その建物の持つ「記憶」が見えるようになる。そこに誰が住み、どう使い、どんな歴史をたどったか…。取り壊し寸前の廃屋からも、生きいきとしていた当時の風景がよみがえる。消えゆく近代建築を愛する作者が横浜を舞台に「タイムマシンがあったら昔に遡りたい」という思いをストーリーに託した。被災地復興や五輪で新築の建物が続々と出てくるが、人や街の記憶さえも刻み込む建築は生まれるだろうか。(小学館・590円+税、全4巻)
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本書は、建築を学ぶ大学生に不思議な力を与え、建物の記憶をたどる物語だ。主人公はあるきっかけから古い建物に触れると、その建物の持つ「記憶」が見えるようになる。そこに誰が住み、どう使い、どんな歴史をたどったか…。取り壊し寸前の廃屋からも、生きいきとしていた当時の風景がよみがえる。消えゆく近代建築を愛する作者が横浜を舞台に「タイムマシンがあったら昔に遡りたい」という思いをストーリーに託した。被災地復興や五輪で新築の建物が続々と出てくるが、人や街の記憶さえも刻み込む建築は生まれるだろうか。(小学館・590円+税、全4巻)
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