日本建築学会は17日、大阪市の大阪大学中之島センターでシンポジウム2012「BIMで設計、教育は変わるのか?-BIMとインターネットを活用した設計コンペからみえたこと-」を開いた=写真。ゼネコンや設計事務所、大学の教員・学生が集い、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用提案を紹介したほか、普及への課題などを話し合った=写真。
シンポジウムは例年東京で開いているが、BIMを活用して仮想設計コンペを実施する「Build Live Kobe(BLK)2011」(主催・IAI日本)が神戸市を舞台にしたこともあり、関西での開催となった。冒頭には、BLK2011の受賞提案7件が紹介された。
パネルディスカッションでは芝浦工大の衣袋洋一教授、神戸大大学院の遠藤秀平教授、阪大大学院の福田知弘准教授の教員に加え、安井建築設計事務所の中元三郎氏、鴻池組の内田公平氏、BLK2011のコンペに参加した大林組の中嶋潤氏と大阪市立大大学院修士課程の森村佳浩さんが登壇し、「BIMにより設計、教育の何がどう変わるのか」をテーマに討論した。
BIMとCGを混同?
教育の現場からは、衣袋教授が「ツールが変わって教育者も変わらないといけない。BIMをCG(コンピューター・グラフィックス)として使っているケースも多く、教える側が変わらないと学生も変わらない」と教育の場でも積極的に活用する必要性を提言。その上で「学生を受け入れる企業も、BIMを活用する部門などを設けてほしい」と、実践する場がBIMの普及につながることを説いた。
学生からは、森村さんが「設計することに力点を置く学生にはCADとの違いも不明瞭なケースがある」とし、学生の間でも温度差があることを紹介しながら「情報を扱うことに興味がある学生は、BIMにも反応を示す」と、情報ツールとしての可能性を指摘していた。
企業側からは、中嶋氏が「設計で一番に大切なのは、クライアントの1次元の情報を3次元にすることだと思っている。空間化する能力は教育で身につけないといけないのではないか」などと述べ、早い段階からの教育が必要と指摘する声も上がった。
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