当時の清水邸書院 |
区は同公園の整備費として約17億5000万円を想定しているが、書院復元にかかわる整備費はすべて清水建設が負担する。
旧清水邸書院は、1910-11年ごろに台東区に新築され、19年に現在の世田谷区瀬田に移築。79年に解体、区が解体部材の寄贈を受け、以来区の倉庫に保管していた。総アカマツで、欄間には金箔、銀箔、螺鈿細工などの工芸がみられるなど豪奢なつくりだった。
同区の松下洋章生涯学習・地域・学校連携課長は「解体後30年以上もの間、部材が眠ってきた。清水建設の協力を得てようやく日の目を見ることになりそうだ」と話す。
◇単純ではない復元作業
今回の復元作業は「単純な復元ではない」とも。約83㎡規模の中で、もともとの11畳の書院と5畳の次の間のほか、出入り口やトイレなどを新築する予定。
予備調査では、基礎部分の大半は破棄されているが、内装部分の約7割、全体では約6割の部材が健全な状態を維持していることが分かっている。欠損している部分も当時の図面や写真から復元可能と判断した模様だ。ただ、当時の建物が開放的な造りであるため、歴史的名建築の保存と耐震性確保の両立が課題となりそうだ。
建設地となる(仮称)世田谷区立二子玉川公園は、二子玉川の再開発事業と足並みをそろえて計画している都市計画公園。上野毛2-28から玉川1-16の敷地約6・3haに整備する。駅から800mの公園北東部分に、13年春をめどに同書院を含めた区立初の日本庭園が開園することになる。残りの部分は15年春の完成を見込んでいる。
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