東日本大震災で大量に発生した東北地方の震災がれき受け入れを表明している埼玉県は、県内に大型廃棄物処理工場を持つ三菱マテリアル(横瀬工場)と太平洋セメント(熊谷工場)の両社に岩手県内で発生したがれき処理の可能性について打診、「技術的に可能」と前向きな回答を得た。
これを受け、県は工場が所在する横瀬町と熊谷市の両議会にがれき処理について理解を得られるよう説明に入った。住民らの合意が得られれば、岩手県からの搬入作業が実現する見通しだ。
がれきの受け入れに当たっては、埼玉県と岩手県が協定を結んだ上で、熊谷市、横瀬町に処理工場を持つ各事業者が個別に岩手県と運搬などの個別業務を契約する。
受け入れるがれきは、主に津波で堆積した木くずが中心。各工場で年間1万t、2年間で計4万tの処理を想定している。運搬手段としては、埼玉県が内陸部に位置するため、貨物鉄道などによる輸送を想定している。
現在、岩手県がリサイクルの際に障害となる塩分濃度などについて調査している。また、懸念されている放射能汚染の問題については、「福島第一原発から大きく離れており、安全と考えられる」との見解を示している。