2012/01/24

仙台塩釜港で北米航路が再開/第1便がロスへ出航

 東北最大の国際物流拠点が復活--。東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台塩釜港(仙台港区)の高砂コンテナターミナル2号岸壁の供用と北米定期航路の再開を祝う式典が22日、仙台市宮城野区の同ターミナルで開かれた=写真。東北地方の港湾で唯一、北米西岸にダイレクト輸送できる定期航路の再開は輸出企業を始め、地域経済復興の大きな弾みになりそうだ。
 高砂2号岸壁は震災により、本体が海側で最大70cm程度はらみだしたほか、全体が約50cmも沈下した。
 さらに基礎杭の一部が損傷し、ガントリークレーン用のレールも蛇行するなど、使用不可能な状態となり、内陸部に立地するタイヤメーカーなどの輸送コストの増大を招いていた。
 東北地方整備局は北米航路の早期再開に向けて8月から復旧工事に着手。24時間3交代制で工事を進め、わずか4カ月で全長330mのうち270mの供用再開にこぎ着けた。残る60m分を含めた完全復旧は2015年3月末を予定している。
 この日は、日本郵船など3社が共同運航する大型コンテナ船「エヌワイケー アーガス」(約7万5500t)が震災以来、約10カ月ぶりに同岸壁に接岸。製材や牧草などの積み荷を降ろす一方、自動車用タイヤなどを積み込み、午後6時過ぎにロサンゼルス港に向けて出航した。
 式典には、加藤由起夫国土交通省官房審議官や三浦秀一宮城県副知事、鎌田宏仙台国際貿易港整備利用促進協議会長ら約70人が出席。三浦副知事は「高砂2号岸壁は東北の国際貿易の要所であり、自動車関連や高度電子機器産業の集積が進む中、さらなる成長が期待される。早期の北米航路再開は、東北の復旧・復興を大きく後押しするものだ」と述べた。
 鎌田会長も「仙台塩釜港の復活なくして、東北の復旧・復興はなし得ないという思いから早期に復旧作業が行われてきたが、今回の北米航路の再開により、復興に大きな弾みがつく。協議会としても積極的なポートセールスを展開していきたい」と語った。

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